真夏の那須岳三山 茶臼岳・朝日岳・三本槍岳

2022年7月最後の週末、栃木県北部に位置する日本百名山の那須岳へ。
日本百名山の著者である深田久弥は書中に『那須岳とは那須五岳の中枢を成す茶臼岳、朝日岳および三本槍岳のこと』と記している。

三斗小屋温泉煙草屋旅館 / 大黒屋)にテント泊をして周回したいと思っていた那須岳だったが、このところ午後から夏特有の豪雨・雷が多発しているので、天気が比較的良いお昼までに下山するように、日帰りご来光登山で計画した。

 

那須岳三山 : 山行ログ

 

車中泊・前泊


PACKED!
車中前泊の1day登山であるため、前日にお昼食べてからの出発。1-2泊対応のSWDザックはだいぶスカスカ。奥は温泉・車中泊キット。

湘南の自宅からは、圏央道〜久喜白岡JCT〜東北道 那須ICを経て、登山口にあたる峠の茶屋駐車場までおおよそ3.5時間、270km。土曜日夕方の通行だったが、渋滞・混雑もなく移動ができた。
途中、東北道の佐野SAで休憩。栃木でイチゴ牛乳をいただく。


道の駅 那須高原友愛の森に到着。今晩はここで車中泊をする。ちなみに、レストランや売店は土日含めて15:00で閉まってしまい少々残念。
登山口となる県営峠の茶屋駐車場での車中泊も考えたけれど、駐車場が広く、電波もよく、自販機/トイレも豊富なこちらの道の駅を利用させてもらう。登山口までは車で約20分、途中にコンビニもある。最終的には観光客・キャンプ客など50台ほどが車中泊だった様子。


車中泊のセッティングをしてから周辺散策。
ソロでの山行は、登山計画はもちろん、温泉/お土産屋/名物/飲食店など訪問してみたい場所をあらかじめピックアップしてから行くので、初めて訪れる地域でも帰宅するまでにその場所に馴染み深くなり、好きになることがとても多い。今回の那須ももちろん!
明日登る、那須岳方面が見える。


ピンクに焼けた西の空。明日の天気に期待が膨らむ。

 

那須岳三山 茶臼岳・朝日岳・三本槍岳


夜中3:15すぎに起床、トイレなどを済ませて登山口となる県営峠の茶屋駐車場(無料)ライブカメラ)へ約20分で移動する。4:00前、駐車場に到着すると、キャパ160台ほどに対してすでに7割程度の駐車。明るくなってすぐに満車になったのではないかと思う。
購入していたおにぎりをパクつき、ヘッドライトをつけて出発。ちなみに、この登山口駐車場以外に今回のルート上に、トイレや水場はない。


登り始めから空は少しずつ明るくなってくる。
ヘッドライトは30分ほどで消灯。急登もなく歩きやすい登山道が続く。

峰の茶屋跡避難小屋の手前(日の出4:44)で、背後のご来光を眺むことができた。
茶臼岳までのルートは、駐車場から20分ほど登り森林限界を超えれば方角的にどこからでもご来光は大丈夫そう(峰の茶屋跡避難小屋〜茶臼岳の一部トラバースを除く)。


山肌が美しく赤色に染まる。


雲があり遠景にアルプスの山々は見えないが、空がピンクに染まっている。
この朝は、どの山でも綺麗な朝日が観れたことだろう。


茶臼岳への最後の登り。こちらでご来光をカメラに収めたであろう方々もいる。


日本百名山・那須岳(なすだけ)の主峰 茶臼岳(ちゃうすだけ・標高1,915m)へ登頂し、那須岳神社に参拝。


日が上がってくると綺麗な影茶臼。良いぞ!良いぞ!


鳥居の奥にはきれいな雲海が広がる。
登って来てよかった。もう降りても良い(良くない)。


茶臼岳の山頂部は昔の噴火に伴う砂礫で覆われているものの、登山道が整備されて歩きやすい。
茶臼岳のお鉢周り途中で、これから歩く朝日岳、三本槍岳方面を望む。アルプスにも負けない森林限界上のきれいな稜線。


峰の茶屋跡避難小屋まで戻り、朝日岳方面へ。
一度北側をトラバースするポイントを上部から。短い鎖場が2箇所あるが、難易度は高くなく補助程度。


朝日岳近くではヒメシャジンほかお花畑も見頃だった。


朝日岳(あさひだけ・標高1,896m)に登頂。
那須連山では3番目の高さではあるものの最も鋭い峰。秋には南斜面の紅葉が見事だそう。


朝日岳からこれから進む三本槍岳方面の稜線。距離がそれほどないので、ズームしなくても歩いている登山者が見える。


下を見ると登山口の駐車場も見える。
中央下の施設は那須ロープウェイの山麓駅。茶臼岳7合目(山麓駅)から9合目(山頂駅)まで片道約4分の天空散歩のあと、片道30-40分で茶臼岳山頂に登れるらしい。営業時間的には登山者向けというより観光客向けだと思うが、紅葉時期の混雑は凄まじそうである。


朝日岳からの茶臼岳ビュー。登山道もはっきり見える。
徐々に陽が高くなり直射日光が暑く感じはじめるが、稜線では風が強くちょうどよく汗が飛ばされ、SPF 50のウインドシェルでもあるHOUDINI〈フーディニ〉Long Shirtはずっと着たまま行動できた。


朝日岳から三本槍岳方面へ進み1900m峰を通過。
短い距離でピークがあり、達成感もあるので初心者にもオススメできる百名山。この日は小さな子供連れの家族パーティも見かけた。


1900m峰からさらに進むと、これまでの砂礫や岩とは真逆の湿原地帯 清水平が広がる。熊笹など植生も大きく変わる。


歩きやすい木道が整備されている。が、風が止み暑さを一層感じる。


清水平からゆるい樹林帯を登り急にひらけた!と思ったらそこが那須岳の最高峰 三本槍岳(さんぼんやりだけ・標高1,916.9m)の山頂だった。


人が少なく静かに歩けそうな大倉山/三倉山方面の稜線。良い。


山肌に雪が残る飯豊山安達太良山も見ることができた。
三本槍岳周辺も花の宝庫で、ミツバチが忙しそうに活動していた。


少し休憩して折り返し。中央奥が茶臼岳、手前左が朝日岳。
明るくなってから登り始めたであろう登山者も徐々に到着して大にぎわいの登山道。トレランの人も多い。


分岐にもなっている見晴台 熊見曽根分岐から三斗小屋温泉方面への稜線。
こちらも気持ちが良さそうだ。天候が安定していればテント泊で周回したいところだが、今回は日帰りなので仕方がない。テント泊なら秋が最適期だろうか?かなり混みそうではあるけれど。


峰の茶屋跡避難小屋まで戻り、朝日岳方面を振り返る。ここから稜線を離れ、駐車場まで降りる。
市街地から近く、難易度低く、距離も短いので大人気の山だった。

 

那須温泉郷 鹿の湯


予定より早い10:00前に下山完了し、峠の茶屋で「那須岳の岩清水謹製かき氷」で一気にクールダウン。
駐車場は満車で、一方通行ゆえに路上駐車も多数。それでも続々と観光客が訪れ人気の高さが伺える。



車を少し走らせ、歴史ある湯治場でもある那須温泉郷 鹿の湯へ。
白くなった川縁が温泉街であることを視覚的にも楽しませてくれる。

石鹸などの使用が禁止されているけれど、白濁のお湯がトロトロで気持ちが良い。登山者、観光客、地元人と、ほぼ1/3ずつという印象。
湯治として41℃〜48℃までお湯の設定があるものの、最高温は44℃に1分が限界だった。さっぱりしたが、湯上りのぽかぽかと強い日差しで、すぐに汗がじんわりと…。

温泉後の食事は、候補にしていた飲食店3店(茶屋卯三郎五色庵蕎麦処こなす)を車で巡ったが、いずれも長い観光客の待機列だったため諦めて帰路へ。残念ではあったが、また訪問するための理由にしようと思う。

 

栃木県那須へは今回初めての訪問だったが、那須岳の麓のコンビニや飲食店の看板は低設置で茶色に統一されていた。箱根や富士吉田などと同じく景観条例があるようで、自然と調和した景観資源を守り育てる・次世代に引き継ぐ意識がとても高い観光地でもあった。

茶臼岳、朝日岳、三本槍岳とピストンで三山を巡ったが、三者三様の特徴があり飽きずに楽しめた日本百名山・那須岳。ヒメシャジン、オニアザミ、イワオトギリほかお花畑も見頃で、登山者が多い大人気の山だった。
隣ピークまでの距離が比較的近く、山ごとに容姿がだいぶ異なるところが、どこか八ヶ岳に似ている気がした。

 

メモ:ウェアリング

 

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