2021年10月の最終日・週末、ぐんま県境稜線トレイルへ。いつものようにソロで、向かうは起点の1つ、群馬県の北西端にある野反湖。
湘南の自宅から、圏央道〜関越道〜渋川伊香保ICを経て車で約4時間(高速約2時間、下道約2時間)、空が薄っすらと明るくなった6時前に群馬県北西部にある野反湖畔にある登山口駐車場に到着。
50台以上は止められそうな広さの駐車場に10台ほどで、みなさん各々準備を進めていらっしゃる。綺麗なトイレ施設と、その横に登山ポストが設置されている。
野反湖(のぞりこ・標高1,513m)は、群馬・長野・新潟の県境に位置していて、周囲12kmのダム湖。その湖水は魚野川から信濃川に合流し日本海にそそぐ。そっかぁ、群馬県なのに北に流れる「信濃川水系」で日本海かぁ…。
Day 1: 山行ログ
野反湖駐車場→▲地蔵山→▲白砂山→▲八間山→野反湖駐車場→野反湖キャンプ場(テント泊)
ぐんま県境稜線トレイル 野反湖ベース東側周回 白砂山・八間山
登山口の横には、ぐんま県境稜線トレイル 野反湖登山案内センターの方がいらっしゃった。当日の予定コースを聞かれ周回コースであることと、テント泊、翌日は西側も周回することを話すと「良いコース選択ですね!」と言っていただく。
なお、野反湖までの唯一の道路でもある国道405号は冬期閉鎖期間(令和3年は11月26日〜令和4年4月22日)があるので注意。なるほど、冬季の山行記録がほぼ無いのもうなずける。
予定の6時過ぎに野反湖の登山口を出発。
まだ朝陽はあたらず出発時の気温は-1℃。1つ小さな渡渉があるが、大雨の後でなければ濡れることはなさそう。よく整備された緩やかな登山道を進んでいく。
ぐんま県境稜線トレイル(NHKの特集ページ)は、群馬と長野/新潟の県境にある自然歩道で、長さはおよそ100kmと国内最長の稜線ロングトレイル。全線開通は2018年8月11日。
5つのエリアにわけられていて、エリアごとにA〜Eのエリア記号と、起点からのチェックポイントで数字が提示がされている。野反湖畔のこのエリアはおよそ中間エリア。
見上げると木々の葉は落ち、明るくなった空と朝陽を浴びる木々が見えテンションが上がる。花の時期や紅葉の時期が人気であるのはよくわかるけれど、個人的にはこの時期も好きな季節のひとつ。
徐々に高度を上げていくと日陰の登山道わきに、約1週間前に降った雪がちらほら。もちろんチェーンスパイクは携行しているけれど登山道と日向には雪がなく未装着。
1座目の堂岩山(どういわやま・標高2,051m)を通過しさらに進む。
樹林帯を抜け、森林限界の稜線上にでると抜群の眺望。
これから進む白砂山、さらにその先も綺麗な稜線が見える。ヒャッホゥ!右奥のピークが白砂山。
しばらく進むと白砂山方面と八間山方面との分岐にでる。
今日は白砂山まで進んでここまでピストン、その後は八間山を周回して同じ登山口に戻る予定ルート。
稜線から南東に見下ろす景色は、山々と谷が幾重にも重なり、自然資産が豊富であることを教えてくれる。
白砂山へはいくつかの小ピークを超えるため、そこそこのアップダウンがあって、夏だと直射日光とあわせて体力を奪われそうである。
白砂山への最後の登りは急登ではあるけれど、距離はあまり長くなく、それよりも気持ちの良い稜線歩きであることでニコニコしてしまう。
一部北側のトラバースは登山道に雪が残っているがチェーンスパイクが必要な感じはなかった。
日本二百名山 白砂山(しらすなやま・標高2,139.7m)に到着。長野県・新潟県・群馬県の3県境、越後百山、信州百名山、ぐんま百名山でもある。
先行は2名の1パーティ、自分の後に男性ソロが到着。
白砂山の先も気持ちが良さそうな登山道があり歩いてみたいけれど、ぐんま県境稜線トレイルの約100kmを満喫しながら一気通貫で歩くには、やはりそこそこの日程が必要になるのでなかなか難しい。
ちなみに、この先は2018年8月の全線開通にむけて新しく整備された登山道で、1つ前写真に上級者向けとの注意書きがあるように、下山まで約15km、水場なし、エスケープルートなし(全線開通時にムジナ平避難小屋は設置された)とのこと。
白砂山山頂からは、遠景に雪を纏った北アルプス、群馬県と長野県にまたがる日本百名山 浅間山(あさまやま・標高2,568m)、多くのピークからなる榛名山(はるなさん・標高1,449m)の山体、てっぺんを少しだけ出した富士山が望める。
これから周回下山ルートとする八間山方面の稜線。
奥には2018年1月の噴火も記憶に新しい草津白根山(くさつしらねさん・標高2,160m)が見える。
初冬で茶色が目立つ登山道わきのところどこを、ナナカマドの赤い実が彩る。
登りで通過してきた分岐から八間山までのルートも明瞭でとても歩きやすい稜線。刈り払いもしっかりとされていて迷いポイントも無し。
本日の最後のピーク ぐんま百名山でもある八間山(はちけんさん・標高1,934.5m)に到着。
白砂山は山頂が狭く小休憩のみだったので、こちらで持参してきたパンとコーヒーを。
白砂山に登る方は自分と同じく白砂山→八間山の順に回るルートが多い様子。逆ルートは数名にすれ違ったのみ。あとは白砂山までは行かずに、八間山だけをピストンの方も何名か。
八間山から野反湖キャンプ場方面の登山口に戻る樹林帯。
こちらはフカフカの落ち葉ポイントもあり気持ちが良い下りが続く。
野反湖を少し上から見渡せる展望ポイントがある。
小さな子供連れでも、ここまでは普通の運動靴で余裕で来られる。
八間山からはなだらかな下りで、野反湖登山口に無事に下-zhaan。
この日は20パーティくらいとすれ違い、半分くらいがソロ。ぐんま県境稜線トレイルの中でも最も静かなエリアだと思うけれど、想像してたよりは人がいたなという印象。
二百名山であることと、「稜線トレイル」として整備とアピールが浸透しているのかもしれない。
野反湖キャンプ場 テント泊
下山後は車に乗り、事前予約してあったすぐ近くの野反湖キャンプ場にチェックイン。
キャンプ場のテントサイトは車の乗り入れができないので、車に積んでいたテント泊用のザックに切り替え、荷物も少し入れ替え。
チェックイン後に、クーラーボックスも持ってテントサイトまで約10分ほど歩く。ファミリーキャンプなど荷物の多い人はリアカーを借りられるし、テント泊ではなくバンガローもある。
キャンプ場のテントサイトは広く平坦な場所も多い。やはり湖畔に近い場所が人気があるようで、すでに多くのテントが張られていた。2/3がファミリーorグループ、1/3が登山用テントといったところ。
ファミリーキャンプ、グループキャンプの方々とは就寝/起床時間が違うのは明らかなので、同じ登山用テントが張られた少し小高いエリアに、フロアレスシェルターを設営。
雪はないけれど天気が良く日向はポカポカなので、放射冷却で-5℃くらいまで下がるかな?どうだろうか?まぁ装備はまったく問題ないけれど。
テント泊装備メモ:
- テント・シェルター:LOCUS GEAR〈ローカスギア〉Khufu Tyvek
- シュラフ:山渓 × NANGA〈ナンガ〉ライトウェイトダウンバッグ 450DX オリジナル/ブルー
- マット1:EVERNEW〈エバニュー〉FPmat 100
- マット2:KLYMIT〈クライミット〉Insulated Static V Lite
- エアピロー:Trekology エアーピロー
陽がだいぶ傾いてきたところで、持ってきた熱燗とゴテアラポーで夕食開始。キャンプ場なので、アルコール類やおつまみ、お菓子の販売もめちゃめちゃ豊富。
そしてお待ちかねのすき焼きをスタンバイ。
これを…
こうして…
こうじゃ!
やみぃ!やみぃー!
ソフトクーラーボックスに和牛スライスと冷凍うどん、飲み物をいれてきたので、車に乗せっぱなしだったものの、まだ冷え冷えだった。
西方角は山側にあたるのでサンセットは拝めないけれど、薄っすらピンク色になった湖畔側を眺めながらすき焼きを食べ、20時すぎに早めの就寝。
自分の周りには登山向けテントばかりなので、ファミリーキャンパー達の声もほとんど気にならずアイマスク/耳栓も不要でぐっすり。
【ぐんま県境稜線トレイル Day2 : 野反湖テント泊 大高山 エビ山】へ続く