2015年12月中旬の週末、山梨県富士河口湖町にある「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」に行ってきました。今回も小1の長女と2人、父娘の極寒・冬キャンプです。
雪をかぶった壮大な富士山を見ながらキャンプできるキャンプ場!
今回の目的はただひとつ「冠雪富士山を見ながらキャンプ」
富士山に雪が積もっているのはだいたい12月上旬〜初夏。
ただ静岡県・山梨県に多くあるキャンプ場はだいたい3月下旬〜11月中下旬の営業で、以後はクローズしてしまいます。まずはネットで、富士山がバッチリ見えて、通年営業しているキャンプ場探しから。
見つかったのが、9つのキャンプ場。
- やまぼうしオートキャンプ場(静岡県御殿場市)
- 乙女森林公園第二キャンプ場(静岡県御殿場市)
- 田貫湖キャンプ場(静岡県富士宮市)
- 朝霧ジャンボリーオートキャンプ場(静岡県富士宮市)
- ふもとっぱらキャンプ場(静岡県富士宮市)
- 新富士オートキャンプ場(静岡県富士宮市)
- 浩庵キャンプ場(山梨県南巨摩郡身延町)
- 富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場(山梨県南都留郡富士河口湖町)
- 精進湖キャンピングコテージ(山梨県南都留郡富士河口湖町・水道凍結のため冬季営業期間外で水場無し・ベテラン向け野営)
さらに
- キャンプは不便を楽しむもの!なんて気はさらさら無いので電源サイトで快適なところ
- できるかぎり空いてて静かなところ
- お湯が出るとか便座がウォシュレット&ヒーターとか大歓迎
ということで、富士山の北西、本栖湖や朝霧高原方面の県境に位置する「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」に決定したのでした。
富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場
2013年7月オープンの新しいキャンプ場。
ネット予約が出来て、自分が知りたい情報も全部公式サイトに詳しく載っていました。イイネ!
しかも冬季は大幅な割引クーポンがあって週末も平日料金。
アーリーチェックイン/レイトチェックアウトにも対応していて、各+200円/人と激安。
今回は娘と2人なので「オートキャンプサイトS(電源付)」3,500円に、アーリーチェックインを+400円でつけて、計3,900円でネット予約。
相場としては6,000円(サイト料5,000円+電源使用料1,000円)くらいのキャンプ場が多いので安い。
しかも現地での支払いで、Square(スマホ/タブレットでのクレジットカード決済サービス)のカード決済に対応(10,000円以上)ってすごい。Square決済対応のキャンプ場は初めて見た。
予約〜絶景富士山 冬キャンプに出発
快晴予報ながら、この冬初の寒波が来ているのを気にしつつ3日ほど前にネット予約。
当日は朝9時の現地着を目指して6時すぎに都内自宅を出発。
環七〜首都高〜中央道で河口湖方面へ。
中央道の車内から富士山の東側!
数日前に雪が降り良い感じの雪具合。5合目くらいまでかな。
運転中に娘が撮影しているので、指が写ってしまいます(笑
西側から富士山ドーン!最高かっ!
談合坂SAで途中食事休憩をいれて、河口湖IC〜国道139号〜県道71号のルートで、予定通り朝9時にチェックイン。
予約時になんとなくわかっていたけど、この日のキャンプは自分たち2人だけの貸切状態ということで「どこでも好きな場所にゆったりどうぞ!」と言っていただき、小さいSサイト料金の予約なのに、通常サイト(しかもつながっている2サイト分)を贅沢に使わせていただくことに。
テントなど1時間くらいでサクッと設営して、娘が楽しみにしていた近くの「朝霧高原もちや」へ。
休止中の夏フェス「メタモルフォーゼ」の初回開催場所でもあります。
遊園地という名前だけど、古いアスレチック施設です。
小学校低学年くらいまでなら楽しめる感じかな。
一通り遊んだ後、お昼を兼ねて「もちや」の名前の由来にもなっている「餅」を食べました。
普段は餅が好きではない娘も食べるくらい、ふわっふわで柔らかい「きな粉餅」が絶品。
「餅は餅屋」、うん、間違いないね。
老朽化で、途中でなくなっているローラーコースター。
(滑れないようにはなってます、念のため。撤去しないのかな?撤去費の問題?)
15時前にキャンプ場に戻り、富士山を眺めながら娘とゆったりと。
標高950mのキャンプ場だけど、天気が良すぎて16時前で気温14.3℃。暑いくらい。
途中、猟犬を連れたハンターさんが裏手の丘のほうに来ていました。鹿狩りかな?
ほぼ陽が落ちて一気に気温が下がってきたので焚火で暖まりながら…
管理棟越しの西の空。
冬っぽさが感じられるオレンジ〜藍色のグラデーションが素晴らしい。
前回と同じく、snowpeak〈スノーピーク〉メッシュシェルター(もちろんフルクローズ)に、COALATREE〈コアラツリー〉ポップアップテントをカンガルースタイルでイン。フジカのストーブに当たりながら、鍋焼きうどんを作りました。
「おわかりいただけただろうか…」
ではなく、寒さ、アルコール、標高が高め(といっても950m)なのもあってか、少し頭が痛かったので娘と早めの19時就寝(はやっ!)
寝る前に満点の星空写真を撮ろうとしたけれど、Velbon〈ベルボン〉EX-540を自宅に忘れて次回へ持ち越し。
バッキバキの二日目
朝は5:30前に起床。シェルター内の温度は-3.3℃。
日の出まではまだあるので、ストーブを点火してコーヒーとホットレモンで暖まる。
富士山はやっぱり抜群のシルエット。
静岡県出身者としては、西側からの富士山がやっぱり好き。
少し明るくなってきたので外へ。
地面は霜もおりて土も凍ります。
歩くと、ザクッザクッという音が心地いい。
各サイトごとに仄かな明かりとりの街灯があります。
明るすぎて雰囲気壊すこともなくイイ感じ。星空写真にも影響無さそう。
日の出まで、もう少し。
夜明け〜日の出までの時間が、キャンプ場で一番好きな時間帯。
今回の冬キャンプの命綱ともいえる電源と10m屋外用ケーブル。
3シーズン用のシュラフにそれぞれ電気毛布を仕込んで、寒さとは無縁で爆睡。
電気毛布は普段自宅でも使っている山善の電気敷き毛布。薄くて軽いので荷物が多くなる冬キャンプには、電気カーペットよりオススメ。140cm × 80cmのサイズがベスト。130cm x 70 cmの電気毛布だと少し小さすぎる気がします。
設営時に「強」でセットして、寝るタイミングで「中」にして就寝。
日の出前、AM6:53で-5.6℃。
炊事場もトイレも凍結防止の熱線が入っているらしいけれど凍結していて、帰り際に管理人さんとお話させてもらったところ、今シーズン一番の冷え込みで夜中には-8℃くらいまで下がったみたい。ピークだと-10℃くらいとのこと。
ただ、凍結してたからか、炊事場にお湯のタンクを用意してくれていました。ステキ!
2人だけなのに、逆になんかスミマセン。
鼻水が凍るくらいに寒くて、ちょっとモンゴリアンテイストを醸し出すぱっつんさん。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
ちなみにこの時期の富士山はまだ雪が少なくかつパウダーなので、西からの風で東側に飛ばされ、富士山東側は雪たっぷり(中央道からみた写真)、西側はもう一声!って感じのようです。あと、ダイヤモンド富士スポットとしてもベストなキャンプ場のようで、近くなるとキャンプ場 公式サイトでアナウンスされています。
完全に陽が昇って気温もグングン上昇。
シェルターをオープンにして昨晩同様の鍋焼きうどんと、コンビニおにぎりで朝食。
おにぎりは凍らないように、クーラーボックスの中に入れておきました。
今回利用させてもらったA-10番〜A-11番サイト。
富士山噴火の溶岩がベースだと思うので、地面は硬め。その上にウッドチップが引いてありました。
雪遊びは出来ないけど、葉についた結晶を集めるのが楽しいらしい。
管理棟内にブランコ・ハンモック・ダーツがあったり自由に遊べました。
久しぶりのダーツは力がはいるね。
繁盛期は食堂と焚火Barがオープンしてて、ピザを作れたり、農園があったり、夜は子供向けDVD鑑賞会もあるようで楽しそう。雪中キャンプも楽しそう!
管理棟近くには常設のテントがあって、しかも屋根がある珍しいサイトが…。
この場所は元々かなりハイテクな農場で、その時の屋根をそのまま使っているようです。
富士山のロケーションが最高なので、キャンプ初心者の雨対策、テントを持っていないファミリーの初キャンプとしてもオススメ。
11:00のチェックアウト時(やや規定時間をオーバー!ずびばぜん!)に、柔らかい人柄の管理人さんと少し立ち話をさせてもらい、再訪を誓って帰路につきました。
新しいキャンプ場で、冬季オープンさせるのは今冬(2015年シーズン)が初めて、特にPRもしていないためほぼ口コミのお客さんとのこと。電源サイト数が多く、ホスピタリティ・満足度が高いだけに、知名度があがってくると冬でもそこそこ混みそうな予感。冬季営業している富士山が見えるキャンプ場自体が少ないですからね。夏場はアウトドアブランド主催のイベントもやってるみたい。
やっぱりココで雪中キャンプしたいな。万が一の時の逃げ場もあるし…。
ちなみに、運営会社は世田谷区の会社で、自宅から激近でした。
キャンプ場を後にして、東名高速 御殿場ICから東京に戻るべく車を走らせ、天然温泉 富士山 天母の湯(あんものゆ)へ。料金設定・湯加減もいい感じ(笑
温泉でさっぱりした後は、やっぱり牛乳!
食堂でB級グルメの富士宮焼きそばを食べ、嫁へのおみやげも買って、今回の冬キャンプは幕を閉じました。
おしまい。
【NOTE】
富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場
山梨県南都留郡富士河口湖町富士ヶ嶺696
朝霧高原もちや
静岡県富士宮市猪之頭1114
富士山 天母の湯
静岡県富士宮市山宮3670-1
2019年 追記
たびたび伺いお気に入り高規格キャンプ場の1つである「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」のオーナー兼管理人さん(運営会社である株式会社アドベンチャラーズ・ブレイン 代表取締役)が、2018年7月に場内メンテナンス中に倒れ、その後訃報を耳にしました。
キャンプ場を利用させていただいた際には、オーナーさん自ら手作りナポリピザを教えてもらったり、農園やルバーブ、前職(株式会社コージツ「現・好日山荘」 代表取締役)のお話、キャンプ場のご近所でもある「プロゴルファー渡辺匡人選手のお父様が茹で落花生を差し入れてくれた」とお裾分けいただいたり、とてもフレンドリーで優しいオーナーさんでした。
また、我が家・父娘二人だけしかいない極寒キャンプ時は朝食のラーメン雑炊をお裾分けすると快く受け取ってくれたこともありましたし、PC/IT関係にも精通させれいて「私のブログからのアクセス数と来場者が一番多い。ありがとう。」と言われたことも思い出されます。
他では見ないような全天候型屋根付きテントサイトやスクリーンでDVD上映される焚き火バーをはじめ、キャンプ場を利用するこちらの想像を超えるスピードで「卓球場」「見晴らし台」「テント乾燥室」「富士山展望プール」と次々に展開、電源付きサイトの増設も含め設備のアップデートや新しい試みをされ、まだまだやりたことが沢山あったのではないかと想像されます。
一方で、空いている時に利用させてもらうと「今日は他には来ないから、空いてるところは自由に広く使って!」と柔軟に対応していただいたり、サービスインしたばかりのSquare(スマホ/タブレットでのクレジットカード決済サービス)を現地支払いにすぐ導入された情報収集力やユーザ利便性の考えは、さすが上場企業の元トップだなと思うことが多々あり勉強にもなりました。
キャンプ場以外での個人的なお付き合いはありませんでしたが、「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」の固定ファンが多いのも頷ける、そんなオーナーさんでした。
その後「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」には伺えていませんが、現在は、運営会社はそのままに別の方が代表・管理人として運営されているようです。このブログに記したサービスや内容も変わっている部分もあると思いますが、日々アップデートを模索していた前オーナーさんの意思を継いでいることと思いますし、タイミングを見計らってまた伺いたいと思います。
こんなキャンプもあるんだよ!楽しみ方は自由なんだ!と言わんばかりに、他とは違ったアウトドアの楽しみ方を提案してくださった「富士ヶ嶺・おいしいキャンプ場」の前オーナー兼管理人 Iさんの、安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。