東京から弾丸で徳島テント泊縦走 Day 1-1: 渋谷〜徳島駅〜剣山

2018年10月中旬、東京から弾丸で徳島県の剣山〜三嶺をテント泊縦走、そして下山後に酷道ヨサク(国道439号)を散策してきた。

約2年前に剣山〜次郎笈へ伸びる稜線の写真を見て構想していた、東京からの弾丸徳島。冬季は通行止めになり、公共交通機関も季節限定運行のみで、やっと実現。下山後には、NHKの番組・ドキュメント72時間でも特集された「酷道ヨサク」と周辺散策「例のアレ」もセットで予定を組んだ。

剣山〜三嶺 縦走:トレッキングログ

見ノ越〜▲剣山〜▲次郎笈〜▲丸石〜▲高ノ瀬〜▲平和丸〜白髪避難小屋(テント泊)〜▲カヤハゲ(東熊山)〜▲三嶺〜名頃〜奥祖谷

 

パッキングリスト

東京から剣山登山口までのアクセスと帰路

前泊や自家用車/バイク以外でのアクセスは、今回利用した貞光駅のほか、阿波池田駅、穴吹駅(いずれもJR徳島線)から3ルートあるものの、徳島駅発の特急・剣山1号に乗らないと午前中に登山口には着けない(乗り遅れると阿波池田駅経由で14:08到着)という超秘境なので、朝一番早く到着する東京発の深夜高速バスでアクセス。到着が遅れないことだけを祈りつつ綿密な予定を立てた
念の為、高速バスの徳島到着が遅れた場合のバリエーション行程(逆走ルート)も想定しつつ出発。

往路:
【夜行バス】京浜急行バス/徳島バス共同運行 エディ1号 渋谷マークシティ 21:40 – 06:05徳島駅
【JR徳島線 特急 剣山1号 阿波池田行 1,610円】徳島駅6:47 – 7:46貞光駅
つるぎ町コミュニティーバス 剣山登山臨時バス 2,000円】貞光駅7:50 – 9:30見ノ越
【剣山観光登山リフト 片道1,030円】見ノ越 – 西島

復路:
下山口の名頃〜奥祖谷二重かずら橋へは約3kmの舗装路(酷道ヨサク)を徒歩移動
三好市市営バス 930円】奥祖谷二重かずら橋13:50 – 14:08剣山(見ノ越)
つるぎ町コミュニティーバス 剣山登山臨時バス 2,000円】見ノ越15:00 – 16:50貞光駅
【JR徳島線 特急 剣山10号 徳島行 1,610円】貞光駅16:55 – 17:44徳島駅
【夜行バス】JR四国バス ドリーム徳島2号 徳島駅21:45 – 06:27池尻大橋

約1ヶ月前に往復高速バスの予約をしたので天気だけが気になっていた。
前週、前々週は、台風がそれぞれ通過したのでヒヤヒヤしたものの、日頃の行いが良いのか、天気も良く思い描いていたとおりの山行になった。
※全時刻は2018年秋版。毎年、また時期によって時間変動あり。

夜行高速バス:渋谷マークシティ〜徳島駅


金曜日夜21:00 に渋谷マークシティの高速バス乗り場に到着。
渋谷路地裏の夜景と喧騒を、5Fにあるバスロータリーから眺める。
上高地、軽井沢などの観光地の他に、鳥取、米子などの遠距離、大阪、京都、浜松、仙台など様々な行き先のバスが終日出ている。
登山用のザックを持っている人も多かったが、ほとんどが上高地行きに乗る人だった。徳島行きで登山用ザックを持っているのは、自分以外1グループ男性2名のみ。


今回、天気予報は良さそうだけど四国=雨が多いイメージと着替えを少しでも減らしたい思いもあり、LA SPORTIVA〈スポルティバ〉ウラガノ GTXを選択。軽量でソックシールドゲイターが着いたゴアテックスメンブレンの防水トレランシューズ。
パンツは、自分の春秋装備の基本でもあるTRIMTEX〈トリムテックス〉Trainer TX Pants。前身頃が防風ポリ、後身頃はストレッチでオーバーヒートしにくいけどかなり細身でタイツっぽく履きたくないので1サイズアップのゆったり目で。走らないし。


21:40発の京浜急行バス/徳島バス共同運行 エディ1号に乗車。徳島駅には6:05到着予定。
東京〜徳島駅のバスは複数の会社が運行しているが、予定通りの行程をこなすには徳島駅から特急剣山1号に乗る必要があるので、朝一番早く到着するこのバスを選んだ。特急剣山1号に乗り遅れると、計画完全遂行は不可能。


縦走に備えてしっかり寝たかったので、独立3列シートはとても助かった。
横の座席との間は両サイドにカーテン仕切りがあり、140度くらいのリクライニング、ヘッドレスト、フットレストと快適。1度目の休憩をした神奈川・足柄SAを出て、起きたら淡路島にワープしているほどの爆睡。尾瀬に行った時は4列シートで後悔したので3列独立にこだわった。


停車バス停を1つ飛ばしたこともあるのか、定刻より少し早い5:55頃に徳島駅バスターミナルに到着。
徳島駅発 特急剣山1号の6:47まで少し時間があるので駅前を少し散策。しかし、地方の主要駅にはヤシのような南国風な木が植えてあるのは何故だろうか。

徳島駅〜剣山登山口・見ノ越


徳島駅の改札と電光掲示板で乗り場と行き先を確認。
改札横のセブンイレブンには、改札内からも購入できる窓口がある。
ちなみに徳島県は、47都道府県で唯一電車が走っていない。電車ではなくすべて汽車(エンジンで駆動するディーゼル機関車)。さらに交通系ICカードは導入が無く、使用も一切不可。久しぶりに券売機で切符を買う。


徳島駅6:47発の特急剣山1号に無事に乗車。
徳島駅は、駅オモテ側はかなり近代的な町並みだったけれど、ウラ側はすぐに住宅や学校があり趣がぜんぜん違う。地方都市あるある。


車窓からの風景。ディーゼルエンジン駆動の音や振動がどこか懐かしい。
山の方に雲がかかっているけれど雨は降ってなさそうで期待が膨らむ。ちなみに単線である。


1時間ほど乗車し、剣山へのアクセスで最も近い駅・貞光駅(さだみつ)に定刻到着。
無人駅なので車掌さんがきっぷを回収してくれる。


駅舎を出るとすぐに、つるぎ町のコミュニティバス発車時間のため乗り込む。
この日は11人の利用者(全員登山者)があり8人乗り2台での運行。渋谷から同じ高速バスだった男性2人も乗車し、同じ行程だろうことがわかった。


途中「つづろお堂」で一度バスを乗り換え、国道438号を剣山登山口である見ノ越(みのこし)まで進む。明日歩く酷道ヨサク(国道439号)と同じような狭く走りづらそうな道ながら、道路と並走するエメラルドグリーンカラーの貞光川が気分を高めてくれる。
前々週の台風では避難指示が出た地域でもあり、一部で土砂崩落通行止めになった箇所もあったが、すでに復旧済みだった。


貞光駅からコミュニティバスに揺られること約1時間半で、剣山の登山口見ノ越に到着。
紅葉の時期ということもあり駐車場に車が多い。関西、中国地方からの車だけでなく、多摩ナンバーの車もある。
ちなみに翌日10/14(日)は駐車場が満車になり駐車できない状態になったとか。


今回のテント泊装備。
KS ultralightgearのザックKS 40に、食料関係を全部入れた山と道のStuff Pack XLを外付け。
Stuff Pack XLがなくても入るのだけど、防水なので濡れた撤収テントを収納したり着替えた荷物を入れたり、お土産を入れたりと重宝するので最近はこのパッキングが多い。

剣山登山口・見ノ越〜剣山


1泊2日、全行程25kmほどあるので剣山へはリフトを使い、約15分で300mほど高度を上げる。
行程にもよるけれど、リフトはガンガン使う派。標高をあげたいというより、距離を歩きたいとも言える。


リフト下をつづら折る感じで登山道が見える。日帰り剣山ならリフト使わないほうがもちろん楽しそう。


リフト終点の西島からハイクスタート。
引き続きガスの中。冷たい空気と、温かい日差しは気持ちがいい。ただ人はやっぱり多い。


剣山の見どころの一つ、刀掛の松。
身近なところで鴨沢〜七ツ石山〜雲取山の「平将門迷走ルート」よろしく、ここ徳島でも平家の落人伝説に出会う。


色鮮やかな落ち葉の上を進む。
朝露で濡れたフカフカの絨毯が、前に出す足をやさしく包む。


剣山に行く前に少し脇道に逸れ、縦走の無事を祈願し大剣神社にお参り。大剣神社からはコミュニティバスで上がってきた道が見える。街が見えず、山深いところまで上がってきたことを実感する。
さらに高度を上げると雲海も広がる。生えている樹木をみると、南国のイメージがある四国でも、冬山は相当寒さが厳しいのだろう。


景色を楽しみながら歩いていると剣山山頂ヒュッテに到着。清潔で、食事など含めかなり評判のよいヒュッテ。


ヒュッテ横にある剣山本宮。岩陰に建てられ守られているようだった。ここでも縦走の無事を祈願してお参り。


ヒュッテを超えて山頂を目指す。
かなり広い山頂付近は植生保護で木道が整備されている。ジーパン&スニーカーのような人もいる。


日本百名山・剣山(つるぎさん・標高1,955m)山頂に到着。近畿以西の西日本では2番目、徳島県の最高峰。
途中までリフトのアクセスで疲れはまったくない。


剣山山頂からは、このあと進むのとは逆方向の一ノ森方面も気持ちが良さそうな稜線が見える。


剣山山頂のトイレ。数も充分だしめちゃ綺麗。
リフトもあるしヒュッテも評価が高く、女性、高齢でも登りやすい山なんだろうな。


展望台も早めのお昼を食べている人や、軽装で登ってきた人を含め賑わう。


剣山山頂からこのあと進む次郎笈(じろうぎゅう)への気持ちの良い稜線を眺める。北側斜面は木々の色づきも進んでいる。

今回、天気もよく昼間は寒さを感じないほどだったこともあり、帰宅してから「あー!忘れたーっ!」となることがあった。レインウェアとして持参していたTeton Bros.〈ティートンブロス〉Tsurugi Lite Jacketを剣山で…皆まで言うまい(どーでもいいな)。

 

東京から弾丸で徳島テント泊縦走 Day 1-2: 剣山〜次郎笈〜白髪避難小屋】へ続く

 

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