東京から弾丸で徳島テント泊縦走 Day 2-1: 白髪避難小屋〜三嶺〜名頃

東京から弾丸で徳島テント泊縦走、白髪避難小屋でのテント泊をあとにして、縦走路最後のピーク三嶺、そして下山口の名頃へ向かう。
東京から弾丸で徳島テント泊縦走 Day 1-2: 剣山〜次郎笈〜白髪避難小屋】からの続きです。

白髪避難小屋〜三嶺


早朝まだ暗い4:30頃に起床。寒い!外に吊るしていた温度計を見ると-1.9度。
早い時間に寝たので夜中に何度か目が覚めたものの、インナーダウンなど重ね着しているので寒さで起きるという感じでは無かった。


夜が明ける。幻想的というほかない彩色の空。このためのテント泊と言っても過言ではない。


これから登る三嶺のモルゲンロート。風もなく今日も良い天気が続きそう。


朝食は朝ラーをキめて、ササッと撤収。昨日まで食料を入れていた山と道のStuff Pack XLには、濡れたまま撤収したシェルターKhufu Tyvekをいれザックに収める。


赤く染まったのは一瞬で、すぐに白黄色の光に変わる。これもまた見逃せない瞬間。霜が降り熊笹はバリバリ。
朝日を背に浴びながら三嶺に向けて出発。


白髪避難小屋から少し三嶺方面に水場への真新しい看板ができていた。
ただし、ガレ場の下らしく、ぜんぜん50mではないらしいので注意したほうが良さそう。3リットルの水持参の自分はココでも補給無し。


三嶺に向かう途中の小ピーク白髪山分岐。
歩きはじめの登りですぐに熱くなったのでレイヤードの調整をしていると、後続の広島から来たという若い男性と少し話す。友人がテント場に忘れ物をして取りに行ったらしく、30分ここで待たされるらしい。大変だ。


小ピークからの下りはガレた急な下りで転倒しないように慎重に。
三嶺までの視界良好。西熊山・天狗塚方面も見える。


一面のススキ原っぱ。朝日を浴びて黄金色に輝く。


途中の道標に鐘がある。尾瀬にあるのはわかるけれど、熊も(ほぼ)いないのに何故あるのだろうか。とりあえず1度カーーーーン!と鳴らす。いい音でスッキリ!進む。


小ピークのカヤハゲ(東熊山)山頂からの東の空。碧々とした空に、飛行機雲が映える。
山名が東熊山…やはり先程の鐘は熊よけなんだろうか。


気持ちの良い尾根のアップダウンを繰り返し、三嶺への最後のアプローチ急登のはじまり。
大きな一枚岩(天狗岩)の間を通すように登山道がついている。短区間ながらの鎖場岩登りで、ここまでほぼ無かった緊張感が一気に出てくる。あまり余裕がなく、岩場での写真はなし。


天狗岩を超えて上部から見下ろす。
ちなみに山頂から天狗岩は見えないくらいの角度で登る。


岩の間を抜けたあとも頂上直下まで鎖場が続く。
ほぼ直登で背の高い木々がないので振り返ると多少の高度感。
厳冬期には1mほどの積雪があるらしく、鎖が雪で埋もれた場合は、転落しないようにアイゼン、ピッケル装備が必要だと思う。


細い登山道をノボルノボル…


無事に今回の縦走最後のピーク 三嶺(みうね・標高1,894m)山頂に到着。高知県と徳島県の県境にあり、日本二百名山および四国百名山で高知県の最高峰。
個人的には剣山の広い山頂より、こちらのほうがピークが狭いぶん360度の展望があるし、最後の急登や登りがいで言えばこちらのほうが百名山にふさわしいのでは?とも思えるくらい。
ただ、剣山から見える次郎笈さらに先へ永遠と続くかのような登山道の高揚感も凄かったので、深田久弥はそこを重視したのかもしれないな、などと思いを巡らす。


左奥に2つ並んでそびえる剣山(別名:太郎笈)と次郎笈。
あそこからずっと尾根筋を縦走してきたと思うと満足感がある。
周りを見渡すと、男らしく岩稜帯が目立つアルプスや奥秩父のなどの山並みとは違い、山頂まで低い樹木が続き緑が深い。


西熊山〜天狗塚方面の稜線歩きもとても気持ちが良さそうだ。天狗塚までは4.7km、ほぼ白髪避難小屋までと同じ距離。時間的なこともあり、この時間に三嶺山頂にいる人は、どこかでテント泊をして2日目という人が多かった。

ここでも初老の男性2人組に話しかけられ15分くらいおしゃべり。
四国とはいえ言葉も含めほぼ関西圏みたいな土地柄だろうか、今回の山行では本当によく話しかけられた(5回も)。しかも1度話だすとだいたい10分オーバーで、そこそこ良いペースで進んでいたはずが平均コースタイムと同じという…。楽しいから全然アリなんだけど。
毎年この時期に登っているという人の話では、先週まで2週連続の台風の影響でかなり葉が傷み、例年より紅葉は良くないらしい。それでも満足できる景色・彩色。

三嶺〜名頃登山口


今回の行動食。ラムネ、はちみつ100%飴、m&m’sチョコ、羊羹。
ラムネは小さくて軽いのに、回復してる感が得られてやはりかなり良い。


三嶺山頂から三嶺ヒュッテ方面へ下る。


三嶺ヒュッテをちょっとのぞき見。奥には剣山山頂以来のトイレ小屋がある。


三嶺ヒュッテをあとにして、名頃登山口にグングンと下る。
すれ違いのおばちゃん軍団にも話しかけられ、さらに去年の紅葉写真も強制的に見せられる(笑)。
「多分ピークは来週だけどね…」と。うん、わかってる(笑


ややザレた浮き石の多い道を下る。見上げると色鮮やかな景色が眩しい。1週早いとはわかっているものの満足感ある。


だいぶ下ったあとの樹林帯歩きで、整備され横に寝かされた濡れた丸太を不用意に踏んでしまい、マンガバナナの如く足を前に盛大にツルンと転倒!
が、背中のザックと荷物が完全にガードしてくれて一切の怪我なし。前日剣山の神社で重ねて安全祈願のお参りしていたのも良かったのかもしれない。代わりにザックは横一線に汚れてしまった。
ちなみに、外ポケットに入れていた、ウ○チョスが漏れ出していないか速攻チェックしたのは言うまでもない(余裕でセーフだった)。おぉ、神よ!


今回選択した軽量でソックシールドゲイター付き、スノートレイルでも快適なランンニングが可能だというゴアテックスメンブレンの防水トレランシューズ LA SPORTIVA〈スポルティバ〉ウラガノ GTX
ソールのグリップ性は、今回丸太で1度転倒したものの、自分の不注意な足さばきゆえなのは明白で、どの靴でも滑ったと思うし、ぬかるみ、岩場ではバッチリ効いた。ただ東京に戻ってからの濡れたマンホールでは少しスリッピーな感じがした。

ローカットに比べれば若干脱ぎ履きしにくい部分はあるけれど、ベロとヒール部分のループをつかめば問題なかった。ソックシールドゲイターはかなり柔らかくフィット感も良いし、インソールも前側が狭すぎることなく適度な余裕がある。靴紐の結び目もベロ内に隠せる。
ゴアテックス防水メンブレンということでムレないか不安があったものの、今回の山行中は一度も不快になることがなかった。


広い尾根をどんどん下る。後半にかけて食料・水の保有量がどんどん減ったこともあり、時折小走りになるくらい歩きやすい。マジ、トレラン向き。


広すぎてもリボンが多く、迷うことはない。
もうすぐ登山口かな?と思った辺りで、香川から来たという可愛らしい若い単独女性にすれ違いざまに声をかけられた。見ノ越(剣山)の登山口に行ったものの駐車場が満車でこちらに来たこと、高齢のお爺ちゃんと一緒に来たけれどリフトのない三嶺はお爺ちゃんは登りを諦め駐車場で待っているらしいこと(平均CTで往復3.5時間だけど…)、先週は大山にお爺ちゃんと行ったこと…。
山にいる人と話をすると、時間と労力をかけて行くからこそ、それぞれにストーリーがある。お爺ちゃん孝行のいいお孫さんだなぁ。
そして昨日以上に剣山〜次郎笈は混んでたことだろう(白目)。


名頃登山口に近いところも、場所によっては綺麗に色づいていた。


登山道から一度林道に出て、またすぐ登山道へ。道標がしっかりあってルート明確。楽しかった縦走もそろそろフィナーレ。


名頃登山口に無事に下-zhaan!!
こちらも駐車場がほぼ埋まるほどの混みよう。袖ヶ浦ナンバーの車もある。勝手な私感では、習志野と袖ヶ浦ナンバーの車は日本全国どこにでもいる気がしてならない。
日差しがなかなか強かった秋の縦走、3リットル持参した水も500ml以上残っている。

 

剣山から三嶺への縦走は当初の計画通りに完遂。
距離はあるものの緩やかなアップダウンが多く、キツイと感じることもあまりなく楽しさと充実感に満たされたハイク。剣山〜一ノ森、三嶺〜天狗塚と歩いてみたい稜線も目にし、さらにフレンドリーで饒舌なハイカーが多かったことも印象的な初めての四国の山旅だった。今まであまり縁がなかったけれど、なんか、四国、いいね!
ココは絶対にまた来たい!

さぁ、下山後のお楽しみへ再スタート。
東京から弾丸で徳島テント泊縦走 Day 2-2: 名頃〜酷道ヨサク〜奥祖谷二重かずら橋〜徳島駅〜池尻大橋】へ続く

 

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