初冬、長野・群馬県境への山旅Day 2: 四阿山・根子岳・小根子岳 周回

2020年11月上旬の週末、長野・群馬県境への山旅、2日目は菅平牧場を起点に四阿山・根子岳・小根子岳を周回のルート。

テント泊した上田市市民の森キャンプ場で3:30過ぎに起床。朝食とトイレ、テント場の撤収を済ませ5:00に出発。今日の登山口である菅平牧場にある無料駐車場へ向かう。

初冬、長野・群馬県境への山旅Day 1: 湯ノ丸山・烏帽子岳を周回 / 市民の森キャンプ場テント泊】からの続きです。

山行ログ

菅平牧場→▲小四阿→▲中四阿→▲四阿山→▲根子岳→▲小根子岳→▲根子岳→菅平牧場

 

菅平牧場〜小四阿〜中四阿


上田市市民の森キャンプ場から車で40分ほどで菅平牧場の駐車場に到着。途中台風による災害だろうか、片側交互通行の信号機設置箇所が2箇所あった。駐車場には他に7台で皆準備をしている。トイレもある。
身支度を整え夜明けが近くなった6:15に出発、気温は-1℃。少し風はあるが寒さはあまり感じない。


牧場私有地内の舗装路を歩いて登山口(標高1,590m)に向かう。
少しずつ明るくなる空と四阿山との写真を取っていたソロ男性と少し話をする。ここから夜明けの写真を撮ったあと、陽が昇ってから同じルートで登るようだ。周回してもそれほど長く時間がかかるコースではなく、昨日に続いてこちらも皆スタート時間はゆっくりらしい。


ゲートを潜り登山道へ。勾配の緩いアップダウンからスタート。


登山口のある尾根ではなく1本南側の尾根を登っていくので、1度渡渉するがブロックが設置されている。沢も流れも穏やか。この辺りも昨晩の雨はパラついた程度なのだろう。


紅葉シーズンは終わり木々はすでに葉を落とし、上がひらけた明るい登山道。足元のクマザサは濡れているがGORE-TEXのトレランシューズとショートゲイターでまったく問題ない。

【ウェアメモ】

 


ゆるゆると登っていくと1つ目の小ピーク・小四阿(こあずまや、標高1,917m)に到着。昨日も山を歩いたが、疲れはなく体調も万全。


少し岩っぽいところもあるが、危険箇所はなく順調に高度を上げる。しっかり整備され植生保護のロープも張られている。



2つ目の小ピーク・中四阿への登り。だいぶ周りの木々も低くなり、森林限界が近いことをうかがわせる。振り返るとさきほど通過した小四阿がよく見える。なだらかな登りで気持ちが良い。


左手にはこのあと周回する根子岳の崩落しつつある南斜面が見える。全体的にはなだらかな山容である四阿山周辺ではあるけれど、この根子岳の崩落箇所が見応えとしてのアクセントになっているように感じる。


中四阿(なかあずまや、標高2,106m)を通過。大きな岩がある小ピークが続き、それぞれ南側をトラバースするように登山道がついている。太陽が徐々に高くなり、風がなく気温も上がってきて少し汗ばんできたため、インサレーションウェアを脱いで少し厚手のベースレイヤーのみになる。


中四阿から四阿山を見る。
正面は崖になっていて右側尾根から回り込むように登る。ここからは四阿山の山頂はまだ捉えることができない。

 

中四阿〜四阿山



尾根に乗る前に一度鞍部へ下ると風の通り道になっていて、陽が当たらないこともあり再度インサレーションウェアを羽織る。それでも急登はなく快適な登りが続く。
1週間前は雪も少し積もり樹氷がみれたようだけど、ここ最近の暖かさでそれらは溶け、この日初めての霜柱をやっとここで見つける。



尾根に乗り進んでいくと出てくる四阿高原・四阿温泉方面への分岐。このあたりも展望はひらけて、茶褐色になった周りの山々の様子がうかがえる。
じっくり登っていくと、初めて四阿山の山頂を捉えた。もう少しだ。


四阿山/根子岳の広い分岐ポイント。ここはかなり風が強く、小さな岩場の陰で持参したコーヒーを飲み、四阿山山頂へ向かう。


四阿山は形がとても綺麗な山容だ。



10分ほどの最後のアプローチには階段が設置され、ビクトリーロードのよう。ただ北からの風が上空を抜けていくため、北斜面のクマザサが風に煽られかなり大きな音を立てている。
早朝で凍っていたりすると転倒の心配がありそうだが、すでに陽が昇りステップは乾燥していた。助かる!



日本百名山 四阿山(あずまやさん、標高2,354m)の山頂に到着。
ここまで登山口以外では誰にもあっておらず、山頂にも誰もいない貸切状態。北からの風はかなり強いが、それを遮り社を守るかのように石が積まれている。社に手を合わせ無事の下山を祈願し、石壁の影で少し休憩。



大小様々な群馬・長野の山が見渡せる。見えている湖は田代湖。左奥の浅間山は一段とオーラを放っている。


昨日登った湯ノ丸山、ツインポールシェルターのような烏帽子岳・小烏帽子岳、遠望には八ヶ岳と南アルプス・北岳の姿もわずかに見えた。

 

四阿山〜根子岳


広い分岐箇所まで戻り、反時計回りで根子岳方面へ周回していく。
北面で陽が当たらないエリアで少しぬかるみがあることや木の根がかなり多いため、スリップに注意しながらそこそこ斜度のある登山道を下る。この先、20組以上の登山者とすれ違った。


鞍部から根子岳を見上げる。
とても綺麗な登山道がついている。これこれ!これが大好物。時折ガスが出るが風が強く瞬く間に流されていく。



根子岳への登り途中の岩場から、振り返って四阿山。鞍部は風の通り道で、背の高い植物には厳しい環境なのだろう。積雪量も多そうだ。
登山道は岩の下部を通過するように細くついている。ただ樹木があるため高度感はない。


最後の登り地点から振り返る。
崩落が進むところを1箇所通過するが登山道の幅は十分あり、転倒でもしない限り危険な感じはない。



花の百名山・根子岳(ねこだけ、標高2,207m)山頂に到着。
山頂には3グループが休憩していた。奥は先ほど登頂した四阿山。山頂は広く休憩ポイントも多いが風が強い。鐘が設置されていたり、子供連れの登山者もいた。

 

根子岳〜小根子岳〜根子岳


根子岳でお昼休憩の予定だったが風が強いので、すぐ北にある小根子岳へ予定通り足を伸ばす。ピストンにはなるものの、テント泊装備ではなく荷物は軽いし、お昼休憩ポイントを探しながらザックはデポせずに進む。この日も北アルプスオールスターズの眺望はなく残念。



5分ほどサクサク下ると、小根子岳と蜂の原高原スキーリゾート・避難小屋方面との分岐。メインルートからは外れているけれど、このあたりも登山道、道標がしっかり整備されている。
分岐からの登りも気持ちが良い。


小根子岳(こねこだけ、標高2,127m)山頂に到着。
あぁ!これは完全に子猫!ありがとうございます!ありがとうございます!ここも山頂には誰もおらず、独り占め。


小根子岳から先の小根子岳北肩(ザレ岩)、米子不動尊、日本の滝百選・米子大瀑布 方面への稜線もかなり気持ちが良さそうな登山道が続いている(北肩より先は通行止め区間あり)。周りに雲海が出ていたら神秘的だろう。



山頂は風があるので、分岐方面に少し降りた岩陰で昼食休憩。湯沸かしの準備をしていると小根子岳から1組ペアが降りてきて挨拶を交わす。山頂には誰もいなかったから、先ほど見た気持ち良さそうなルートから来たのであろう。
陽のあたる南斜面で、根子岳、奥の四阿山を眺めながらのカップラーメンは格別!ここまで足を伸ばしてよかった。

 

根子岳〜菅平牧場


昼食休憩の後、根子岳まで戻ると地元ボランティアの方々30名ほどで山頂付近の草刈りが行われていた。カメラクルーの撮影も入っていた。あとで調べたら、根子岳・四阿山保全協議会主催「ササ刈りし、在来山野草を回復させるイベント」なるほど!昨日の湯ノ丸山エリアに負けず、こちらも地元に愛されている山であることがよくわかる。


菅平高原の景色を正面に見ながら菅平牧場駐車場へ下山開始。こちらも急斜面はなく歩きやすい。
周回するにあたって、時間の余裕を見て小根子岳ピストンを入れるか入れないかを考えていたため反時計回りにしたが、こちらから周回する人も結構いるようだ。


道標などルートはとても明瞭。道迷いポイントもない。ただこの道標、表示距離がおかしい気がする。GPSで見るとちょうど中間あたり(むしろ菅平牧場の方が近いくらい)の場所なのだけれど、0.8km/1.8kmの表示。よくあるすれ違い登山者の「あと少しですよ!(全然少しではない)」と同じ部類だろう。



サクサク降りてくると駐車場が見えてくる。朝は7台だった駐車場にも多くの車が止まっている。さすが日本百名山である。



登山口に無事に下-zhaan。今日も1日とても良い天気に恵まれ最高の山行になった。駐車場には30台以上の車が停まっていた。

下山したら牧場のミルクを使ったソフトクリームを!と思っていたが牧場はすでに冬季閉鎖されており、売店の窓も雪囲いで固く閉ざされていた。本来であれば駐車場から出るときに200円/人の牧場入場料を支払うらしいが、料金所もすでに閉鎖されており徴収なし。スキー場オープンまで、しばしの休息といったところだろうか。
入場料徴収で良いので、美味しいソフトクリームが食べたかったというのが正直なところ。ちなみにスノーリゾートとしても有名なこの菅平へは学生時代にスキーツアーのバスで訪れたことがある。

 

道の駅雷電くるみの里・丁子庵


下山後は、車で40分ほどの道の駅みまきにある布引温泉 御牧乃湯へ。露天風呂は良い感じだったが、休憩所がロビーの椅子のみで売店も種類豊富とは言えず、客層からすると道の駅というよりご近所さんたちも多く訪れる温泉施設という感じだった。

お土産品を買わないわけにはいかないので、前日早朝に少し立ち寄った道の駅雷電くるみの里へ向かう。こちらはバイクツーリンググループや、ファミリー層でかなりの賑わい。名前の通り名産のくるみや、それを使用した食材/お菓子など満足がいく品揃え。


下山後に食べられなかったソフトクリーム(上州りんご味)にありつけご満悦。


土産品の購入後は、蕎麦で有名な小諸市内へ。
小諸市内の蕎麦屋はランチ営業のみ15:00で閉店するお店が多く、18:00まで営業している丁子庵へ。
15:30と中途半端な時間にも関わらず席はほぼ埋まっている人気店ではあったものの、すぐに座ることができた。


「新そば」の張り紙もあり、今回は天ぷらやくるみをつけずに、ざる蕎麦の大盛りをオーダー。
歴史あるお店の雰囲気はかなり良く、喉越しはしっかりしていたものの、良質な蕎麦どころに求めていた蕎麦の香りなどは微妙に自分の好みとはマッチせず…。次にこの地に訪れる時は、営業時間を確認して他の有名店 草笛小諸本店や上田市で有名な刀屋へも訪れてみたいと思う。

 

長野・群馬県境への2日間の山旅は、天気に恵まれた。
帰りの関越道「渋滞30km」には一瞬目を疑ったが、「通過90分」の表示で「ここは中央道じゃないんだ!」と、どこかホッとする。通常より1時間ほど遅いトータル4時間ほどで帰宅できた。

夏に北アルプスへ登山バスで行った帰りの道中、中央道より関越道のほうが渋滞距離が長く逆走も必要なのに、「会社からの指示で上信越道・関越道で東京に向かいます」とアナウンスされた時、また新宿駅到着時の中央道/関越道の渋滞解消具合の違いでびっくりしたことを思い出す。これからの季節は例年通り、スキー客が増える関越道、渋滞が減る中央道という感じになるのだろうけど。

さて、次はどの山域に向かおうか… 計画を立てよう。