初冬、長野・群馬県境への山旅Day 1: 湯ノ丸山・烏帽子岳を周回 / 市民の森キャンプ場テント泊

2020年11月上旬の週末、長野・群馬県境への山旅、1日目は地蔵峠を起点に湯ノ丸山・烏帽子岳を周回のルート。

都内自宅を2:30に出発し、関越道 練馬IC〜藤岡JCT〜上信越道 小諸ICまで高速道路を利用、途中横川SAで朝食をとり高速を降りた後は道中の長野県東御市(とうみし)にある「道の駅 雷電くるみの里」へトイレ休憩で立ち寄り。南関東では雨予報だったこともあり、まだ夜は明けていないが北関東の天気は落ち着いていて心配なさそうだと安心する。

山行ログ

地蔵峠→▲小烏帽子岳→▲烏帽子岳→▲小烏帽子岳→▲湯ノ丸山→角間峠→地蔵峠

 

地蔵峠〜烏帽子岳


道の駅から長野県道・群馬県道94号東御嬬恋線(とうみつまごいせん)に入り、県境の地蔵峠(湯の丸スキー場)の無料駐車場へ。駐車場は24h利用可能で、水洗の公衆トイレもある。駐車している車は5台のみで登山者の姿は見えない。

地蔵峠から篭ノ登山(かごのとやま)、池の平湿原方面への湯の丸高峰林道はすでに冬季閉鎖されていて、閉鎖前であれば下山後に利用しようと思っていた高峰高原の高峰温泉へは、小諸市からのチェリーパークラインでしか到達できない。

明るくなってきた6:15に出発。気温計はこの時期にしては高い5℃を示していた。登山届はいつもの要領で作成しオンライン提出済み


湯の丸キャンプ場方面へ舗装路を上がっていく。湯の丸キャンプ場は、駐車場にある湯の丸高原ホテルが管理しているようだ。



湯の丸キャンプ場は、今年は11/3にクローズ済み。トイレ、炊事場など設備が整っていて、オープン期間であればここでテント泊をしたかった。奥のテント場もかなり広く、湯ノ丸山が一望できる。オートキャンプ場ではないけれど、夏はかなり涼しいだろうし家族で少ない荷物で来るのも良いだろう。


テント場の脇を進み、ここからは登山道に入っていく。


湯ノ丸山 or 烏帽子岳の分岐。
まずは奥に位置する烏帽子岳まで行くので湯ノ丸山の南側をトラバースして進む。


湯ノ丸山トラバース道は、平坦でかなり歩きやすい。スキー場があるくらい雪が積もる地域なので、スノーシューやワカンをつけてのスノーハイクにも訪れたいと思う。



湯ノ丸山と小烏帽子岳の鞍部にある分岐。
ここから烏帽子岳へはピストンになり、帰りは写真右側から湯ノ丸山に登る。鞍部からは翌日登る予定の日本百名山 四阿山(あずまやさん)、根子岳が朝日に照らされて、さすがの風格が漂う。


鞍部から小烏帽子岳への登りも急登はなく快適にグイグイ登る。ぬかるみ箇所もほぼなく、南斜面のため風もなく、朝日が当たり暖かい。辺りに登山者の姿はなく、自分のクマ鈴と歩く音以外は何も聞こえない静かな山歩き。


小烏帽子岳の尾根に乗る。小烏帽子岳とは反対方向にも東御市街まで降りられる登山道がついている。ロングのバリエーションルートとなるため、注意看板がある。


小烏帽子岳への尾根歩きは少しザレているが斜度があまりなく歩きやすい。ここから風が少し強くなるが、全く問題ない。厳冬期はかなり雪が積もりそうだし、あまり人が入らなそうな気がするのでラッセルが必要かもしれない。


小烏帽子岳(こえぼしだけ、標高2,042m)山頂に到着。奥に見える北側のピーク、烏帽子岳に向かう。


烏帽子岳(えぼしだけ、標高2,066m)山頂に到着。
小烏帽子岳と烏帽子岳の間には自分が生まれるより前の遭難慰霊碑があり手を合わせた。当時の登山道の状況はわからないがGWの事故という記載から、日程優先ではなく、天気や現地の状況優先で安全に登山することが楽しめる大前提だなと実感する。



すぐ隣には、このあと周回する湯ノ丸山が綺麗な形でドーンと鎮座。
朝日に照らされ夜明けの東御市街も美しい。


烏帽子岳からは、翌日登る四阿山と根子岳がよく見える。


遠くには浅間山も見える。雲だろうか?噴煙だろうか?

 

烏帽子岳〜湯ノ丸山〜角間峠


湯ノ丸山と小烏帽子岳の鞍部まで戻り、湯ノ丸山への直登開始。
鞍部へ戻るまでにこの山行で初めて、そして唯一の登山者(男性ソロ)とすれ違う。本当に静かな静かな山域だ。
湯ノ丸山への登りは、それなりの斜度があるけれど距離が短く30分ほどで登りきれる。厳冬期にはピッケルがあった方が良いかもしれない。


どこかの山頂で見た光景に似ているのだけど思い出せない。広い山頂、平べったい小粒な岩が多い山頂。どこだったか…



湯ノ丸山(ゆのまるやま、標高2,101m)山頂(南峰)に到着。
写真を撮ったり小休憩している間も、だれも登ってこない。登山口から近くかなり登りやすい山だから、みんな登山開始時刻が遅いのだろうか。山の上は紅葉はほぼ終わってしまっているし、他の人気の山に行っているのだろうか。
登山口である地蔵峠を挟んだ向かいには、プリンのような形をした棧敷山(さじきやま)が美味しそうに見える。


小休憩のあと、すぐとなりにある湯ノ丸山(北峰)へ向かう。奥には、四阿山と根子岳。


湯ノ丸山(北峰)から、さきほど登った小烏帽子岳(左)と烏帽子岳(右)。ツインポールシェルターのような形でとても美しい。
天気が良くて雲がなければ超遠望で白馬三山から鹿島槍ヶ岳・槍ヶ岳・穂高連峰までの北アルプスオールスターズが拝めるらしいが、さすがに今日は厳しい。



湯ノ丸山(北峰)からは角間峠方面へ下る。
こちらルート利用の登山者はそれほど多くなさそうで熊笹も長めに伸びてはいるものの、ルートは明瞭。
危険箇所もなく快適な下りで、スノーハイクにもかなり良さそう。



角間峠(かくまとうげ)に到着。
ここから角間山(かくまさん、標高1,981m)、鍋蓋山(なべぶたやま、標高1,829m)、新鹿沢温泉(鹿沢スノーエリアゲレンデ)方面へも行ける(一部バリエーションルート)ようだが今回はパス。

また以前は、この角間峠⇄角間温泉(鹿沢温泉とは反対側)⇄烏帽子岳の登山道があったようだが、現在はいずれも廃道になっている。角間峠にも、角間温泉方面へ通行不可の看板と、トラロープが張られている。過去の記録もあったけど、去年の台風でさらに荒廃進んでそうだし、なかなかハードそう(2018/06, 2018/05, 2015/11, 2014/10)。


角間峠には立派な東屋があったので、ここで持参してきたコーヒーとパンをパクつく。人の気配がないので、ザックに付けたクマ鈴をたまに鳴らしながら。

 

角間峠〜地蔵峠へ下山



角間峠から旧鹿沢温泉方面へ降りるルートも緩い勾配で快適。この辺りはトレラン初心者に、間違いなく良いコースだろう。現に烏帽子岳をメインにトレランの大会も開かれている。自分は山では走らないけど。右手には湯ノ丸山を見ながら快適下山を続ける。


旧鹿沢温泉へ降りると、ロード歩きが長くなるので湯の丸レンゲツツジ群落・コンコン平方面へ進む。道標もしっかりしており、この地域で愛されている山なのだとよくわかる。

ちなみに帰宅後に知ったのだけど、鹿沢温泉(かざわおんせん)の歴史はかなり古いらしく、1918年(大正7年)の火事で温泉街は壊滅し一軒を残して現在の新鹿沢温泉(標高200m下がる)の場所に移転、(旧鹿沢温泉に)一軒だけ残ったのが現在も営業を続けている紅葉館らしい。露天風呂は無いけれど、加水加温なしの源泉かけ流しで、ぜひとも入ってみたかった!



快適に降りていると、コンコン平・ツツジ平方面と下山ルートとの分岐箇所はかなりひらけた場所になっていた。奥に見えるのは棧敷山。厳冬期にスノーシューで歩いたらめちゃ気持ち良さそう。ここは昔に存在した国民休暇村鹿沢スキー場跡らしい。

コンコン平・ツツジ平へのルートは、再度深い樹林帯に入っていく標高200m差の登り。明日のこともあるので今回はパスしてそのまま下りる。



ゲートまで到着。先には長野県道・群馬県道94号東御嬬恋線も見える。ゲート反対側には、登山口の道標もある。



このあとは地蔵峠へ続くロードを歩いても良いのだけど、せっかくなので少し下って、その脇につけられた登山道を歩く。踏み跡はかなり薄く、膝上丈の藪漕ぎだけど、県道の脇をずっと進みピンクテープもあるので道迷いの心配はなし。


足元は、前回と同じくNBのローカット トレランシューズ。GORE-TEXの安心感、よくグリップが効くVibram MEGAGRIP、HOKAほどではないけどクッション性◎なFresh Foam Xミッドソール。間違いない!

【今回のウェアメモ】

 


地蔵峠に戻ってきた。今年の湯の丸高原スキー場OPEN予定は2020/11/22(日)からだという。例年、群馬県内スキー場のトップを切ってオープンしているようだ。もうすぐ深い雪が積もり、ゲレンデも人で賑わうのだろう。
ちなみに、嬬恋村の案内板には「キャベツ日本一(わかる!)」と一緒に「愛妻家の聖地(!?)」と併記されていた。どういうことだろうか?


駐車場に下山完了し、地蔵峠をぶらぶら。
駐車場には20台ほどの車が止まっているが、紅葉終わり〜雪山への転換時期でいくつかあるレストハウス、お食事処はすべて閉まっており、ゲレンデオープン予定前の11/21まで休業中の張り紙があった。残念。

湯の丸キャンプ場の受付でもある湯の丸高原ホテルも休業中で、沸かし湯の日帰り温泉は入れるようだが露天風呂は期待できないと思いパスし、予定通りこの日のテント泊予定地である上田市 市民の森公園にあるキャンプ場へ向かう。車で30分ほど。

 

上田市 市民の森キャンプ場 テント泊・みずほ温泉 湯楽里館


上田市市民の森キャンプ場は、同じ公園敷地内にあるわしば山荘で受付。
公共キャンプ場であるここは、他ではあまり見たことがない制約が結構あり、利用の際には注意が必要ではある。個人的に気になる箇所をまとめると以下の通り。

  • 営業期間 4月〜11月、受付 9:00〜16:00、事前予約不可、当日先着順で利用証発行、わしば山荘にて受付、利用料は無料
  • テントサイトでの火器使用不可、炊事場・東屋にベンチ/テーブルはあるが火器使用不可
  • ガス調理含めバーベキュー場でのみ火器使用可(炭の使用可、薪は一切使用不可、BBQ場は市民/市内勤務者の事前予約のみ)
  • 駐車場のトイレは水洗和式、キャンプ場のトイレは水洗ではない和式(テントエリア⇄駐車場 徒歩1分)
  • 駐車場は、トイレがある入口側は24h解放、区切りの奥はチェーンで夜間施錠
  • 登山など早朝出発は、手前側駐車場を利用すれば車の出し入れ可
  • 車横付けのオートキャンプ不可
  • 各テントサイトは小さく、1-2人用の山岳テントが張れる程度の広さしかない。ファミリー向けテントや、リビングと寝室が一体化した2ルームテントは間違いなく張れない

といった具合でかなりクセがあるキャンプ場(特に火器使用)ではあるものの、管理人さんは質問に丁寧に答えてくれるしソロ登山者に融通を効かせてくれるし(!!)、ワイワイ(ウェイウェイ?)騒ぐグループは除外し、静かに過ごす少人数またはソロ登山者向けのキャンプ場と理解した。
ちなみに、この市民の森公園から烏帽子岳への登山ルートもある。


わしば山荘で受付を済ませ、サクッとフロアレスシェルター LOCUS GEAR〈ローカスギア〉Khufu TyvekをAフレーム型で設営。前回の福島への紅葉登山・野営場利用と同様に、登山用ザック KS40とは別に、テント泊の荷物はEXPED〈エクスペド〉Lightning 60に詰めてきた。

標高がかなり落ちた市民の森キャンプ場は、まさに紅葉の見頃でベストポジション。そしてテントエリアには木々が多く、公共の公園内であることなど、焚き火や火器使用できない規則になっていることが理解できた。


先客は男性ソロ1名、そのあとパパ&子供1組、ペア1組が来て、この日は4組の利用者。テントエリアでの焚き火はできないので、みな就寝は早めだった。



設営後、車で5分ほどのところにある温泉施設、みずほ温泉 湯楽里館(ゆらりかん)へ。露天風呂もあり、少しぬるっとしたお湯が心地良かった。
温泉の後は、併設の休憩処でうどんと天丼の雷電セットをいただく。うどんに餅、豚肉が乗っていたのが新鮮で美味しくいただいた。


市民の森キャンプ場に戻り、湯楽里館で購入した地ビールなどを飲み、気持ちの良い時を過ごす。西に陽が傾いた15:30時点で15℃もあり、かなりぽかぽかな立冬だった。晩御飯はビールを飲みながらの、持参したセブンイレブンのおでん。



シュラフや防寒着など、冬装備で来たのでかなり拍子抜け。明け方もシェルター内は12℃までしか下がらず、都内と体感温度はあまり変わらず。

【装備メモ】

湯ノ丸山・烏帽子岳の周回でたいした疲れもないので、普段のテント泊より遅めの21:00頃就寝。寒さも感じずゆっくり休むことができた。翌日は、日本百名山の四阿山(あずまやさん)に登るべく、5:00出発で菅平牧場に向かう。

 

初冬、長野・群馬県境への山旅Day 2: 四阿山・根子岳・小根子岳 周回】へ続く

 

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