都内から尾瀬(尾瀬ヶ原・至仏山)へのアクセス方法と携帯電波 & Wi-Fi事情

今回はじめて尾瀬に行くにあたって、東京からのアクセス情報をいろいろ調べたのでメモ(2017年情報)。さらに現地で感じた、携帯電波の入らなさ、皆無なWi-Fi環境についても書きました。

紅葉の尾瀬 Day 1 : 鳩待峠〜アヤメ平〜尾瀬ヶ原〜山ノ鼻 単独テント泊登山
紅葉の尾瀬 Day 2 : 日本百名山 至仏山〜小至仏山 単独テント泊登山
からの続き。

都内から尾瀬へのアクセス:交通手段

1日目の朝から尾瀬で行動したい(早出早着が基本)となると、「深夜バス」か「自家用車利用」の二択(朝からでなければ、電車でも新幹線でも可)。
交通費(高速代、ガソリン代、駐車場代、マイカー規制区間の乗合バス/タクシー代)だけを考えると、3人以上なら自家用車利用のほうが確実に安いけれど、ソロだったら断然深夜バス、2人ならトントンで運転手配慮(高速渋滞・飲酒有無、自由度)次第といったところ。
今回は単独なので、「深夜バス」を選択。

都内から尾瀬へのアクセス:尾瀬の玄関口とマイカー帰省独自ルール


尾瀬の玄関口となる拠点は「A: 尾瀬戸倉」で、主にそこから

  • 「B: 鳩待峠(尾瀬ヶ原/至仏山方面)」
  • 「C: 大清水(尾瀬沼/燧ヶ岳方面)」

の二手に別れる。

「A: 尾瀬戸倉」から先は、多客期は混雑緩和のためにマイカー規制区間(二輪含む)があり、乗合バス/タクシー(鳩待峠へは980円均一/2017年)またはその区間を含むバスツアーを必ず利用しなくてはいけない。かつ、夜19:00〜早朝5:00はツアーバス・乗合バス/タクシーも通れない全面通行止め
混雑緩和もあるのだろうけど、駐車場料金も観光地価格だし、おそらく地元の観光産業経営の安定化目的もあると思う。それで自然保全されるのであれば悪いことではない。

都内から尾瀬へのアクセス:深夜バスは2択

現地宿泊(テント泊・山小屋泊)できる東京都内深夜出発のバスは以下の2種類。
いずれも尾瀬の拠点「A: 尾瀬戸倉」および「C: 大清水(尾瀬沼/燧ヶ岳方面)」までのアクセス・料金がベース。出発/到着時間、バス車内設備(トイレなし・4列シート)、料金(差額があっても500円程度)もほぼ同じ。

1) ビッグホリデー主催

  • 共同運航便多数(700円のまいたけおにぎり弁当付が目印)
  • 追加料金オプションで「B: 鳩待峠(尾瀬ヶ原/至仏山方面)」行きの設定がある(+900円/片道)
  • 「A: 尾瀬戸倉」到着は朝4:00
  • 出発/到着地点:横浜駅(+400円/片道)、新宿駅、池袋駅
  • 往復料金設定のみ
  • 子供料金設定なし

2) 関越交通の高速路線バス

  • 「B: 鳩待峠(尾瀬ヶ原/至仏山方面)」へは、「A: 尾瀬戸倉」から別料金現地支払いの乗合バス/タクシーを利用
  • 「A: 尾瀬戸倉」到着は朝3:30
  • 出発/到着地点:新宿駅、練馬駅、川越駅
  • 片道料金設定あり
  • 子供料金設定あり(半額)
  • ※関越自動車道 沼田ICを下りてから細かく停まるので、尾瀬観光目的ではない現地の人も乗るのかもしれない。

どちらを利用するにしても朝4:40「A: 尾瀬戸倉」発の乗合バス始発以前には鳩待峠へ行けないし、待ち時間が短い「1) ビッグホリデー」の深夜バスを今回は選択。というか、今回の日程で少し安い 2) 関越交通の高速路線バス(尾瀬号)は1週間以上前に満席で売り切れていた。

都内から尾瀬へのアクセス:今回選択した深夜バス「ビッグホリデー」

今回の自分の行程:
【往路】「新宿駅〜尾瀬戸倉〜鳩待峠」
【復路】「尾瀬戸倉〜新宿駅」

帰りはバス乗車前に、尾瀬戸倉にある尾瀬ぷらり館「戸倉の湯」で温泉に入りたい(鳩待峠には温泉がない。尾瀬の山小屋に立ち寄り湯を利用できるところはあるけれど、環境保全のため石鹸/シャンプーは使用禁止。)ので、至仏山から下山後の「鳩待峠〜尾瀬戸倉」区間は、現地で別途980円均一の乗合バス/タクシーを利用(人数が集まればすぐに発車するので待ち時間ほぼゼロ)。

参考までに今回の交通費は、
2017年9月22日(土)夜発〜24日(日)のビッグホリデー主催高速バス利用で、大人1人 10,580円(往復深夜バス代 9,600円、復路片道利用の乗合バス/タクシーが980円)。
売り切れていたけれど、関越交通の高速路線バス(尾瀬号)だったら、大人1人 10,360円(往復深夜バス代 8,200円、往復利用の乗合バス/タクシーが1,960円)。
※平日や混雑していない時期は金額がもっと安くなる。また近年毎年価格改定が行われているようなので2017年参考。

「ビッグホリデー」の尾瀬行き深夜バスを利用しての感想としては、

  • 座席は普通の観光バスで広くはないが、許容範囲。キャパ50人くらいで通路座席の使用は無し。
  • ペア客以外では、男性/女性同士席になるので女性単独でも安心(なのでは?)
  • 都内の受付場所は池袋なので、新宿で乗車しても一度池袋で降ろされる。ただし、新宿乗車前にもしっかり点呼確認してくれるので安心感はある。新宿で見た他のバス会社は、確認もなく集まった客が独自に乗り込んでいた。
  • 新宿、池袋、尾瀬戸倉でのスタッフの説明がかなり丁寧で明瞭だった。
  • 尾瀬の男性スタッフが着ていたモンベルの黄色いハードシェルが妙に似合っていた(笑)。そういえば、新宿、池袋のスタッフも黄色のベストを着ていたことに今頃気がつく。

といったところ。
また尾瀬に行くならビッグホリデーをチョイスすると思う。

 

尾瀬の携帯電波 & Wi-Fi事情 2017

番外編として今回の尾瀬ルートの携帯電波事情もすこし。
手持ちキャリアは、ドコモとソフトバンクでほぼ同じなので参考までに。
電波有無の計測は、登山向けGPSアプリGeographicaのトラッキングログデータと、現地での目視から。

尾瀬戸倉:4G
鳩待峠:4G(休憩所近くのみ)
中の原:圏外
横田代:圏外
アヤメ平:圏外
富士見田代:圏外
富士見小屋:4G(廃小屋近くのみ)
土場:圏外
長沢:圏外
竜宮十字路:圏外
下ノ大堀川橋:圏外
牛首分岐(中田代三叉路):圏外
上ノ大堀橋:圏外
山ノ鼻(テント場含む):圏外
山ノ鼻〜至仏山:不安定3G (3合目〜5合目付近) / 圏外 (5合目より上)
至仏山〜小至仏山:圏外
オヤマ沢田代:圏外
原見岩:圏外
小至仏山〜鳩待峠:標高1740m以下では4G

こうしてリスト化してみると、深夜バス発着所の尾瀬戸倉は一般住宅・旅館などもあるので電波が入るけれどそれ以外では、鳩待峠周辺、富士見小屋周辺、山ノ鼻〜至仏山への登山道途中一部だけしか電波が入らない。

至仏山荘、尾瀬ロッジ、尾瀬ビジターセンターなどがあり、尾瀬で一番賑わい滞在者・通行者が多いポイントでもある山ノ鼻(今回利用したテント場)は携帯電波が入ると思っていたけれど、まったくNGだった。ちなみに小屋の電話、ビジターセンターにある公衆電話は衛星電話。

尾瀬 山小屋内のau 4Gエリア化と、他キャリアでも使える無料Wi-Fi提供開始

そんな通信事情のなか、au主導で尾瀬 山小屋建物内のau 4Gエリア化と、他キャリアでも使える無料Wi-Fi「OZE GREEN Wi-Fi」の提供が2017年9月20日に発表された。

登山客など安全面への配慮という大義はあるけれど、観光客の大幅減少=収支の悪化 が今回au電波を受け入れた主要因だと思う。今回尾瀬に行ってみて感じたことのひとつに、他の山ではあまり見ないような客層・グループもいたし、「山というより観光地」という印象が強く残ったので利用者のマナー悪化を懸念するのも非常によくわかる。

今回の尾瀬・至仏山への登山では、至仏山荘前のテント場に1泊したけれどWi-Fiも拾っていない(と思っていた)ため家族とも1日半以上連絡が取れなかったので、少し心配を掛けてしまった。

Geographicaの自身のトラッキングログデータ(2017年9月23日)を見直したら、至仏山荘(北側:山の鼻小屋方面、大きなアンテナの近く)の極狭いエリアで無料Wi-Fi電波を拾っていたようだ。電波状況が悪いと携帯電池消耗が激しいので機内モードにしていることが多く、現場ではまったく気が付かなかったけれど。Wi-Fiの情報が広がると微弱電波を求めて人も集まってくると思うので、もう少しWi-Fiエリアを広くしないと、ピンポイントで電波キャッチしに来る人でそれこそ景観が損なわれるのではないか、と…。

特別保護地区の湿地帯は木道も狭く危険だし電波はまったくいらないと思うけれど、雨雲レーダー・天気予報やGPSアプリでの山行ルート確認など最新情報が欲しいから、休憩所でもある小屋周辺とテント場ではせめてWi-Fiカバーしてほしいなと思うのでした。

 

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