雪の奥高尾・裏高尾 テント泊縦走ハイク Day 1 : 陣馬山〜景信山〜日影沢キャンプ場

2018年1月27日(土)〜28日(日)、雪の奥高尾・裏高尾を縦走しながらテント泊で歩いてきました。

過去最強レベルの歴史的寒波が襲来」して東京都心でも4年ぶりに大雪(23cm)になった次の週末(積雪から5日後)、奥高尾・裏高尾の縦走は絶対に雪の時と決めていたので満を持して行ってきた。しかも、大菩薩嶺を日帰りにして少し消化不良があったので、テント泊で。
少し長めながらアップダウンが少ないので普通は日帰り縦走コース。この日も宿泊装備の人は他に皆無だった。

ちなみに、奥高尾と裏高尾という名称の定義がよくわからなかったけれど、
【奥高尾】高尾山から西北に伸びる尾根沿いのエリア
【裏高尾】高尾山の北側エリア
ということらしく、雪上テント泊した日影沢キャンプ場だけ【裏高尾】、その他の縦走路は【奥高尾】と呼ぶらしい。

高尾山周辺では貴重なテント場:日影沢キャンプ場


高尾山周辺は国有林なので、指定キャンプ地以外はテント設営や宿泊は不可。
そんななか貴重な日影沢キャンプ場は通年営業の無料キャンプ場ながら、事前完全予約制(往復はがき受付のみ!)なので、都心でも間違いなく雪という予報が出た宿泊約1週間前にはがき投函して予約、すぐに返信はがきが到着した。

冬季でさらに雪ということもあってか、前日の金曜日に高尾森林ふれあい推進センターから丁寧にTELがきた。

  • 除雪してません
  • 20-30cm雪あり
  • 駐車場利用は厳しい
  • 土曜日にデイキャンプで高校山岳部が1組、泊まりは他にいない
  • ユニバーサルトイレがFULLで使用NG、和式仮設トイレ(フットポンプ式)2つは使える
  • 水場の水道管破裂したので元栓締めてます(そもそも飲料不適だけど)

とのことで、だいたい想定内。

奥高尾・裏高尾 縦走ルート

Day 1: JR藤野駅〜陣馬山〜景信山〜小仏峠〜日影沢キャンプ場 【泊】
Day 2: 日影沢キャンプ場〜小仏城山〜高尾山〜京王高尾山口駅〜JR高尾駅

 

日影沢キャンプ場で宿泊となると、陣馬山など西の方から東に進んで高尾山へというコース選択になる。
陣馬山登山口をアサイチスタートとすると、朝8:00にJR藤野駅発の神奈中バス(野08系統 和田行)に乗り約10分で陣馬山登山口着が最速で、それにあわせて6:00前に都内最寄り駅を出発。
バスは増便無く、路線バスのほぼほぼ席が埋まるくらいの乗車率だった。陣馬山登山口で下りたのは15人程度。
藤野駅から登山口まで歩く(バスルートと同じ)と、コースタイムは約30分。ただ道幅が狭くて暗い、車道と歩道が分離されていないトンネルを通過する。

陣馬山登山口〜陣馬山


陣馬山登山口バス停から民家もある舗装路を少し登り、日影に雪が残る登山道へ入って行く。

Rab eVent ゲイター ミッド Black
1kmほど歩いたところで雪がだいぶ多くなってきたためチェーンスパイクとゲイターを装着。
チェーンスパイクは、Italy Madeの CAMP〈カンプ〉アイスマスター
購入時の条件は、トレランシューズや柔らか目のブーツにも問題なく装着でき着脱が容易であること。さらに定番でもあるモンベルのチェーンスパイクやヒルサウンド トレイルクランポンと比較して、以下の点からこれに決めた。

  • 足裏前後に1つずつ金属のブレードプレートがあって、そこに固定爪がついていること
  • 足裏つま先部分にも約18mmの爪があって、足裏全体で滑り止めが効くこと
  • 爪が他より若干長いこと(爪長:約18mm✕10本、約9mm✕2本 計12本)
  • 足の甲にベルクロが付いていて装着感アップ、ズレ防止が期待できること
  • コンパクトに収納できて、切り裂きに強いケースが付属していること
  • 重量は他と同等程度の約480g(Lサイズ)、ケースに入れても約560gで十分軽い
  • 足に装着するもので、ある種の消耗品であることを考慮すると、同機能に近いヒルサウンドと比較して約半額という高コストパフォーマンス

ピッケルを必要とするような雪山でなければ、この軽アイゼン・クランポンで必要十分。
ゲイターは、すでに廃盤になっているeVent素材のRab〈ラブ〉 ラトック ミッド ゲイター。個人的にロングゲイターは必要無いのと大げさ感があるのでショート丈、あとパンツ(基本的にブラックしか履かない)にマッチするブラック。たまにヤフオクに出品されているのを見かける。


木々が鬱蒼と茂っている森も良いけど、針葉樹の葉が落ち、明るくゆるやかにつづく登山道が楽しい。


アイゼン装着や小休憩も入れつつ2時間ほどで陣馬山(じんばさん・標高857m)に到着。
雲ひとつない青空によく見る白馬が映える。


/^o^\フッジッサーン のほか、雪を纏った南アルプス南部も少し見える。
今回のルートでは一番富士山の展望が良い。

陣馬山〜景信山


陣馬山〜景信山〜小仏城山の間で、北側斜面の日が当たらないところはフカフカの雪が30cmほど残っていた。降雪から5日ほど経っているので今回のルート上はすべてトレースはあるし、道迷いの心配をするポイントもほぼない。


奈良子峠、明王峠、底沢峠を経由して景信山へ。
大人は黙ってまき道である!


東京都八王子市と神奈川県相模原市との境界にあたる景信山(かげのぶやま・標高727m)に到着。
バックパックは、今回もKS ultralight gearのKS40。


手前の八王子市内から、新宿のビル群、奥のスカイツリーまで一望できて、テンションが上がる。


いくつかある茶屋の中から、Twitterでもマメに最新情報を発信している景信山頂上 景信茶屋 青木さんで温かいなめこ汁をいただきながら持ってきたおにぎり、セブンイレブンのタラモサラダをパクつく。


なめこがデカい。
下りてから気がついたけれど、ココの山菜天ぷらが絶品だという情報があったのを忘れていた。次回は必ず…


このあと進む高尾山方面を少し見下ろしながら。
日差しは暖かく、予定よりのんびりしてしまった。

景信山〜小仏峠〜日影沢キャンプ場


小仏峠まで下り、さらに小仏バス停方面へ下る。
小仏城山、高尾山は明日のお楽しみ。


FIZAN〈フィザン〉のトレッキングポール TREKKING COMPACT FRELIGHT modelも、今回は9cmの汎用スノーバスケットに変えたので埋もれることなく全行程快適。


小仏バス停方面の登山口まで下りてくると舗装路はしっかり除雪されていたのでアイゼンを外す。
仮設トイレ、洗い場も設置されているし、さすが人気の高尾山。


最奥部でもある小仏バス停は下山してきたハイカーが多く待っていた。
臨時便含む2台での運行だったようだ。


日影沢の分岐まで下り、いろはの森コースへ登り返す。
ここから再び雪の道になるが、10分ほどなのでアイゼンは無し、アイスバーンになっていない部分を歩く。


日影沢キャンプ場に到着。
管理人さんが言っていたように、キャンプ場の駐車場は除雪もしていないので車はおそらく厳しい。
キャンプ場もいい具合に30cmほど積もっているけれど、下段ベンチまわりが少し踏み固められているのでそこにテントを設営。


LOCUS GEAR〈ローカスギア〉Khufu Tyvekで、手持ちのDAC製 アルミペグで問題がなかった。今回はじめてローカスギア DPTEを使ってA型フレームで設営した。少し慣れが必要だけど、快適性が凄くてもっと早く買うべきだった。
Khufu設営時のトレッキングポールの長さについて、1ポールで設営する場合は最長132cmで設営していたけれど、DPTEを使用してAフレーム型(2ポール)にする場合は124cm程度がベストだった。
雪かき用で使っているアルミスノーショベルを今回は持っていかなかったけれど、踏まれて圧雪だったし雪崩の心配もない場所だから不要だった。ただ、ペグ回収用にミニスコップは必携。

先客がいたけれど、キャンプ場の管理人から前日に聞いていた高校山岳部のデイキャンプではなく、(おそらく無許可のゲリラ)ファミリーキャンパー。US アーミーテントと陣幕… 空いているとはいえ、ルールはしっかり守らなきゃ…


フロアレスシェルター内は、

これで今回は大丈夫だった。


いい具合にテーブルとベンチがあったので、早めにご飯。
高尾山をいろはの森コースから下山してきた人の「えっ?泊まるの?」という視線はやや感じた。


ゴテアラポー、セブンイレブンの炒飯おにぎり炒め、セブンイレブンのお一人様おでん。もう少し料理をしたいところ。食事後は少し辺りを散策して暗くなったところで早めに就寝。フロアレスとはいえ、シェルターの中と外では温度の差を大きく感じる。

ちなみに、テント泊した2018年1月28日(日)の八王子市の最低気温は-6.2℃だったらしい。市街地より標高が少し高い250mくらいなので、キャンプ場は-8℃くらいだったのだろうか。

今回の縦走・雪中テント泊ウェア

シュラフの中に入ると、以下のレイヤリングで寒さを感じず、ゆっくり就寝できたので今後のためにメモ。おそらくトップスはもう1枚少なくても今回は寒くなかったと思うし、インナーダウンをボトムスにくるくる巻きにすれば保温用のミッドレイヤーパンツも無しでよかったかもしれない。ギアテックパンツはふくらはぎの締め付けが少し強いし。

【トップス:下層から】

【ボトムス】

【その他ウェア装備】

 

暑くなる行動中にレイヤリングから外した(脱いだ)のは、トップスはインナーダウンとハードシェル、ボトムスのミッドレイヤー。冬以外でもダウンと化繊フリースのチョイスはセオリー通り、行動着は化繊フリースを、テントではダウンをメインに選択する。

役割的に、化繊のフリースは熱/冷気の遮断、ダウンは保温が主なので、2枚レイヤードする時は必ずダウンを肌に近い方にしている。布団でも、羽毛布団の上に毛布を掛けるのが正しいと言われているのと同じ。東京の寒さではあまり関係なくアウターとしてのダウンジャケットで問題ないけれど、インナーダウンが市民権を得るところまで引き上げたモンベルの功績は大きい。

ただ、ここまで一度も触れていないけど、最も優秀で自分の装備に欠かせないウェアはfinetrack〈ファイントラック〉のソフトシェル ニュウモラップ フーディ(モデルチェンジされて現在はフロウラップフーディ)だったりする。春〜秋のアウターとして、冬はインナーとして1年中手放せない。

夏はぶっちゃけ何を着ても良いと思うけど、冬はウェアも含めある程度の装備が必要だなと実感する。
ちなみに、どうしても冷たさを感じやすい足先は、今回貼るカイロを忘れたことを少し後悔した。

 

雪の奥高尾・裏高尾 テント泊縦走ハイク Day 2 : 日影沢キャンプ場〜小仏城山〜高尾山】へ続く

 

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