北八ヶ岳 テント泊 8の字周回 Day 1:双子山・縞枯山・北横岳と池巡り

2018年8月中旬の週末、北八ヶ岳をテント泊で8の字周回して歩いてきた。
2日前まで東京で40℃近くまで達する猛暑日だったものの、週末直前に北からの寒気が流れてこんでいて、空気が入れ替わったようにちょうどよい気候のなかでの山歩きになった。9月に入るとすぐに秋装備が必須だとは思う。

天気が良くかなり人が多そうなので、公共交通機関でのアクセスも可能な「麦草峠」ではなく、マイカーアクセスが必須な「大河原峠」を起点にする8の字周回コース。都内を朝3時半ころ出発。中央道を利用して永福IC〜諏訪ICまで約2時間、諏訪IC〜大河原峠まで約1時間といったところ。
別ルートとして、関越自動車道の練馬IC〜佐久南ICを利用して逆方向から大河原峠へアクセスすることも可能。ただし、渋滞なしだと距離/所要時間は増えるので、帰りの中央道の渋滞次第ではこの選択もアリかな程度に頭に入れておく。

北八ヶ岳 8の字周回:トレッキングログ

1日目:
大河原峠〜▲双子山〜双子池ヒュッテ(テント設営・荷物デポ)〜雨池〜雨池峠〜▲縞枯山〜雨池峠〜坪庭〜▲北横岳〜亀甲池〜双子池ヒュッテ(テント泊800円/人)

2日目:
双子池ヒュッテ〜亀甲池〜天祥寺原〜将軍平(蓼科山荘)〜▲蓼科山〜大河原峠
下山後の温泉:白樺湖温泉 すずらんの湯

大河原峠〜▲双子山〜双子池ヒュッテ(テント設営・荷物デポ)


登山口の大河原峠(おおがわらとうげ・標高2,093m)に到着。
土曜朝6:30到着で車の数は想像していたよりも多い。駐車可能台数が約30台でおそらく8:00には埋まっただろうと思う。周りの登山装備を見てみると、日帰りで大河原峠〜蓼科山ピストンの人が7割くらいの印象。さすが百名山。


軽くストレッチをして、準備を整え出発。
標高2,000m超えですでに雲海が見える。標高が高い登山口イイワー!


大河原峠にある大河原ヒュッテに登山ポストがあるので登山届を提出。
大河原ヒュッテは予約があるときだけ開けているそうで、この日は人影なし。隣には峠のCAFE ADAMOがあるので帰りに寄りたい。


歩き回る前に双子池にテントを設営して荷物をデポするので、蓼科山とは反対方向の双子池方面へ進む。
非防水トレランシューズINOV-8〈イノヴェイト〉ROCLITE 295で出発しようとしたものの、少し前までの長雨でいきなりグチャグチャな登山道。車に一旦戻り防水軽量トレッキングブーツDanner〈ダナー〉マウンテン 600に履き替えてスタート。


20分ほど歩いて双子山(ふたごやま・標高2,224m)を通過。
標高は高くないものの360°開けていて見晴らしが良い。先週行った北アルプスも見える。


距離的に小さな子供でも歩ける感じで、双子池のテント場には大河原峠から歩いてきたと思われる幼稚園児くらいの子が家族で軽量キャンプに来ていた。


双子山を超えると子供の背丈ほどある藪こぎ区間が少し。足元が見えづらい。


大河原峠から1時間弱で双子池ヒュッテに到着。
先週降り続いた雨で池の水は雄池・雌池ともに増水していて、普段はそのまま飲めるという雄池の水は「まだ安定してないので煮沸して」とのことだった。荷物デポ想定で多めに持参したので、今回は池の水を利用せず。
テント泊(800円/人)の受付を済ませて、ヒュッテから5分ほどの距離にあるテント場へ行くと、事前に調べていた池の畔にある砂浜地帯は完全に水没していて、小高い樹林帯しかテントが張れない。オゥ…


樹林帯にはところどころに笹を刈った場所があり、簡易トイレ(強酸性・ペーパーなし)の少し先に空いている適地を見つけサクッとテント設営。誰かが作ったベンチもある。

天気の心配はまったくなかったのでフロアレスシェルター LOCUS GEAR〈ローカスギア〉Khufu Tyvekにしたかったけれど、設営後に池巡りと縞枯山・北横岳に登りにトレッキングポールを使いたくてHERITAGE〈ヘリテイジ〉クロスオーバードームを選択。

シュラフは夏用ダウン、NANGA〈ナンガ〉× 秀岳荘オリジナルダウンシュラフ 200DX UDDをチョイス。770FP DXUDD 200g、ハーフジップ、重量420g、収納サイズ∅11×20cm、15,000円(税込)で軽さ、寝心地、コスパ最強。

ちなみにトイレは、ヒュッテの外にもあってそっちはペーパーあり、ニオイも許容範囲。女性はこっちじゃないと厳しいかな。

双子池ヒュッテ〜雨池〜▲縞枯山


テント設営後にヒュッテ裏を通って雨池方面へしばし林道歩き、さらにヤブの方へ進む。シラビソの甘い香りも漂う。


途中また林道に戻って水場。顔を洗うと冷たくて気持ちが良い!


再び苔むした樹林帯に入り、リボンも多く踏み跡しっかりで迷う心配なし。
途中、落としたばかりと思われる速乾タオルを拾った。少し前で休憩していた先行者2人に聞くと「5分くらい前に若い単独男性が勢いよく追い抜いていった。自分たちが通った時にはタオルは落ちていなかった」と言う。対向者はいなかったし、雨池までは分岐がないことを確認して、そのまま持ってスピードアップして歩く。
テントに荷物をデポしているのでザックは非常に軽く、20分ほどスピードハイクしていると、先行していた単独男性を発見。声をかけ無事にタオルを持ち主に届けられた。無くても必ずしも困るわけではないけれど、おそらくタオルのために戻ることもないだろうし、完全にゴミになってしまうであろう落とし物を持ち主に返せてよかった。


雨池に到着。
ぶっちゃけ双子池より良い!ここでテント泊したいくらい(できません)。手前のほうは苔が水没していて、ここもかなり増水してるのがわかる。名前の通り雨が溜まった池ということで、これだけ水があるのにタイミングによっては枯れることがあるらしい。


雨池でしばし休憩して、雨池峠方面へ登り。
ところどころに岩がでてくるもののここまでは歩きやすい登山道が続く。


雨池峠へ到着。雨池・縞枯山・三ッ岳・北八ヶ岳ロープウェイ方面への分岐十字路。
ロープウェイ方面から来て縞枯山方面に登る人が一番多い感じだった。ガイドさんと一緒にトレッキングしている山歩きを始めたばかりと思われる人もいて、初心者にも優しいコース。


雨池峠から縞枯山へピストン開始。
岩がゴロゴロとしたそこそこの急登で、下山時に少し注意する必要がある。ただ時間的にも距離的にもハードではないのでガンガン登る。


30分ほどで縞枯山(しまがれやま・標高2,403m)山頂に到着。
視界ゼロなので少し奥の展望台の方まで足を伸ばすと岩場からの360度絶景が待っていた。


手前に見える赤い屋根と開けたところは麦草峠。奥には赤岳をはじめとした南八ヶ岳の山々が見える。
自分を含め、ここで展望の楽しみながらのお昼休憩という人が多かった。

▲縞枯山〜坪庭〜▲北横岳


縞枯山からピストンで雨池峠へ戻り、ロープウェイ・坪庭方面へ進み縞枯山荘
ハイキング客でごった返していて、ここから坪庭までは完全に観光地。
縞枯山荘のトイレ利用料は300円で「ロープウェイ山頂駅まで15分」とも書いてある。WEBサイトにも「バイオトイレ処理能力に限度があり、登山者・宿泊の人に不便を強いる可能性」の記述があり、正直使ってほしくないらしい価格設定であると納得。


圧倒的完全観光地・坪庭。
山登りする人にとっては、やはりココは冬に来るべきところなんだろうな。


北横岳ヒュッテ到着。
ロープウェイ山頂駅〜坪庭〜北横岳ヒュッテまで、昼過ぎということもあり降りてくる人が多く自分のペースで登れない。基本的に登り優先ということがわかってない人も多くペース乱れまくりツライ。ただここで買ったポカリはキンキンに冷えていて最高だった!


池巡りも目的の一つなのでヒュッテ前から七ツ池へピストン。
七ツ池から戻ってきた時、単独の女性に「どうでした?」と聞かれ「うーん、微妙ですけどすぐなんで!」と伝えた。その女性と北横岳山頂で再び合うと「微妙でしたね!(ニッコリ」と言われた。雨池見ちゃうとなおさら。でもせっかくなので。


北横岳ヒュッテから北横岳(きたよこだけ・標高2,480m)・南峰へ。


時間的にも徐々に人が減り、比較的静かな山頂だった。
ここも360°の展望で北とは少し趣の違う荒々しさがある赤岳をはじめとした南八ヶ岳の主稜を一望でき、右手奥には南アルプス群、手前には北横岳ヒュッテ、青い屋根の縞枯山荘。


反対側遠くには北アルプス。雲の間からは槍も見える。


手前には明日登る予定のお椀型をした日本百名山・蓼科山(たてしなやま・標高2,531m)が迫る。


北横岳南峰から北峰へ移動。
よく厳冬期の写真で見る「エビの尻尾」の原型となる樹木がたくさん。
日差しと風が心地よく、夏場はココもランチ最適地。

▲北横岳〜亀甲池〜双子池ヒュッテ(テント泊)


北横岳・北峰から亀甲池方面に下る。少しわかりづらいところにはロープが掛かっている。
当初は大岳経由で双子池に直接戻ろうとしていたけれど、転落注意なゴロゴロデカイ岩稜帯がずっと続く難路らしいので、歩きやすそうな方をチョイス。


亀甲池到着。
ここもやはり増水で池べりの一部登山道は水没。まだ緑が深いけれど、もうすぐに紅葉の時期になってしまうのだろう。


亀甲池〜双子池。この辺りが今回のルートで一番苔むしていて雰囲気バツグンだった。


テント設営済みの双子池に戻ってきた。

テント場に戻るとテントがかなり増えていて女性2人組に声をかけられた。麦草峠から雨池経由で来たという。早朝に場所を確保した時はそれほど混まないだろうと思ったけれど、場所がなく横に1つ張らせて欲しいというので少し移動させてスペースをご提供。ともにテントは大きくないのでギリギリ2張。困ったときはお互い様。
ただそれでも全体的にスペースが足りなかったようで17時過ぎには、本来設営不可のヒュッテ周りにも10張ほどが張られていた。トイレ・水場を考えるとそちらのほうが圧倒的に便利。砂浜水没で場所がなくなり、仕方なくの処置なんだろう。

ちなみに晩ごはんを作っていてヤラカシ発覚。
OD缶110が調理途中でガス欠。今回2缶を比べて重いほうを持って行ったものの、そもそも両方とも残量が少なかったという…。新品で約210g(容器約100g)、しっかり計量して持っていかないとダメだなという学び。仕方がないので行動食(余っていたおにぎり、魚肉ソーセージ、ゆでたまご、ナッツ、チョコm&m’s)で事なきを得た。
ゴテアラポー → 無事調理できた
焼きそば → 肉と野菜まで炒めたところでガス終了につき、野菜炒めに変更
翌日の朝ラーメン → とりやめ

中途半端に残ったOD缶が増えまくるのは、どうしようも無いんだろうか。

 

北八ヶ岳 テント泊 8の字周回 Day 2:百名山 蓼科山】へ続く