初冬の奥秩父・甲武信ヶ岳テント泊 Day 1

2018年12月初旬、奥秩父の日本百名山・甲武信ヶ岳にテント泊で登ってきた。
山名のとおり、甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)の境にあり、この名になっているとされる説が有名。

奥秩父 甲武信ヶ岳 : トレッキングログ

今回のルートは道の駅みとみを拠点として〜▲木賊山〜甲武信小屋(泊)〜▲甲武信ヶ岳〜道の駅みとみ、というテント1泊ピストン。当初は▲破風山を経由して雁坂峠からの周回下山を予定していたものの、日の出が一番遅い冬至に近いので、ご来光を見ていると出発がだいぶ遅くなり、中央道上りが混雑する前に帰りたいこともあってピストンに切り替え。

徳ちゃん新道〜戸渡尾根〜甲武信小屋


都内自宅を午前4時前に出て中央道 勝沼ICを経て約2時間で道の駅みとみに到着。
今年のGW後に笠取山テント泊して以来の道の駅みとみ。都内からのアクセスもよく、勝沼IC〜フルーツライン〜雁坂みちのルートも道路混雑が少なく快適にアクセスできて、好きな登山拠点の1つ。
道の駅みとみは毎年冬季休業(12月初旬〜3月初旬)があり、今年は下山翌日までの営業だった。トイレ、駐車場は通年で使える。


かなり明るくなってきた7時前に西沢渓谷方面に出発。
例年だとすでに10〜20cmほどの雪が積もっている時期らしいが今年は暖冬なのか雪がなく、まだ凍結もしていない。


関東方面からのメジャールート・徳ちゃん新道から登り始める。


登山口近くから近丸新道との合流地点までつづら折りの急登〜ヤセ尾根歩きが交互に続く。幅が狭い箇所が多く斜度もあるため転倒すると数10メートルは落ちるので注意しながら。階段はないものの、丹沢・大倉尾根の上位互換と誰かが言ってた気持ちがわかる。
紅葉も完全に終わり初冬の山は、フカフカの落ち葉と、明るく開放感もある樹林帯歩きが気持ち良い。



良い天気で木々の間から朝日が差し込む。
今回はモンベルのベースレイヤーに、RabのAlpha Flux Jacketを羽織って登る。保温性がありながらも透湿性バツグンなPOLARTEC Alphaインサレーションを、脇の下やサイドパネルなど熱がこもる箇所のオーバーヒートを防ぐレイアウトで構築されていて、気温-5℃〜1ケタの行動着としては今まで着たウェアの中で最もストレスが無かった。Twitter、ショップブログ(福岡のアウトドアショップGRiPSのブログは本質を捉えたレビューで本当に参考になる。そして文章が抜群にうまい=買っちゃう!)で絶賛されていたのがよくわかった。


近丸新道との合流手前から植生が変わり、シャクナゲトンネルとなる。見頃となる6月くらいには相当綺麗なのだろう。



標高2,000m手前くらいから、ひらけた場所には先日降ったという雪がところどころに出てきた。振り返ると、富士山が見えるもののモヤの中に霞んでいた。12月としてはそれほど気温は下がっていないので仕方がない。



山肌が少し崩落した見晴らしのいい展望箇所があり、富士山〜右側の金峰山方面まで見渡せる。出発点・道の駅みとみに近い広瀬ダムも見える。


少しずつ雪の量が増え木賊山(とくさやま・標高2,469m)/甲武信ヶ岳方面と破風山(はふうさん・標高2,318m)方面への分岐。この木賊山、標高だけなら2,475mの甲武信ヶ岳とたいして差がないのに、展望がなく完全に甲武信ヶ岳への通過点としての雑な扱い。
また、秩父にはもうひとつ標高600mほどの紅葉里山ハイキングが楽しめる別の破風山(はっぷさん)がある。


木賊山を過ぎて甲武信ヶ岳方面へ進む下りはひらけていて、今回のルートで最も積雪量が多かった。チェーンスパイクを着けるか悩むもパウダースノーのため、転倒にだけ気をつけてずるずる滑るように降りていく。

甲武信小屋・甲武信ヶ岳


下り終わったところにある甲武信小屋に到着。
前日の11月末で小屋は冬季閉鎖になっていて、誰もおらず静か。土日だし1日延長すれば良いのにとは思うものの、そうはいかないんだろう。冬季開放なしで、年末年始も営業なし。トイレも完全クローズで、携帯トイレほかのトイレキットで対応。


甲武信小屋の雪は10cm程度。
一番奥の日当たりの良いところは雪が溶けて、乾いていたためそこにテントを設営。



テントを設営後、身軽になり甲武信ヶ岳の山頂へ向かう。15分程の登りもチェーンスパイク不要。他の多くの奥秩父山系と同じく、甲武信ヶ岳は山頂まで森林限界に達しないのでずっと樹林帯。
ちなみに今回の行程で各日ですれ違ったのは、それぞれ7-8組で、ソロがかなり多く、静かな山歩きとなった。


山頂だぁあああああああ!


日本百名山・甲武信ヶ岳(こぶしがたけ・標高2,475m)山頂に到着。
てんくらの登山指数通り冷たい風が強く寒い。恐らく風速10m前後で体感温度はぐんと下がる。



360度の展望はないけれど、富士山、奥秩父の山々、雲がかかった八ヶ岳などが見える。明日も御来光を観に再度登るつもりだ。


テント場に戻り少しゆっくり。
今回も天気悪化が無さそうなのでLOCUS GEAR〈ローカスギア〉Khufu TyvekをDPTEで設営。
甲武信小屋とテント場は東側斜面にあるので山頂のような風はほぼない。ただし東側ゆえ15時前になると日差しがなくなり徐々に気温が下がり15時半で-1.9℃。他にテントはなく、もしかして完全ソロなのか?



ビールでは寒いので湯煎して熱燗にできる日本酒缶を持参。いつもの感じのツマミとともに、ちょっとポカポカ。
一杯やっていると相次いで2グループがテント場に到着。男性2人組と、男子学生3人のパーティ(テントに記載されていた8UACってどこの学校だろうか?)。



日没まで少し時間があるので小屋の周りを散策。
ソーラー発電、トイレ、水場、ケータイ電波増幅器と夏場は超混雑するのがわかる便利で快適と評判の山小屋。


日本酒も飲み干し、暗くなってきたところで晩ごはんの準備。
レトルト(どんぶり亭すきやき)に、ネギと白菜、うどん、行動食で食べなかったゆで卵をドロップ!


17時前で-3.9℃。かなり冷えてきたのでシュラフに入り20時前に就寝。
夜中は何度か目が冷めたものの、寒さでということはなかった。

 

初冬の奥秩父・甲武信ヶ岳テント泊 Day 2】へ続く