晩夏、テント泊で北八ヶ岳 天狗岳・ニュウ Day 1

2020年8月末の週末、テント泊で北八ヶ岳の天狗岳・ニュウへ。

新型コロナウイルス対策関連で、今年は多くのテント場が予約制になっていることや、南アルプスは昨年の台風被害でアクセスや登山道にかなり制約があり、半年以上ぶりの登山は八ヶ岳へ。奥多摩、奥秩父の山も候補にあったけれど、8月はまだ暑そうで、できるだけ涼しそうなところを選ぶことにした。

なかでも、テント場がそこそこ広く、テント泊は予約が不要ということで黒百合ヒュッテ テント場を宿泊地に選び、麦草峠インアウト〜ニュウ〜天狗岳と周回するルートを選んだ。
シューズ選択は迷ったけれど、一時的な雨予報もでているのでLA SPORTIVA〈スポルティバ〉ウラガノ GTXで。

山行ログ

麦草峠→白駒池→▲ニュウ→中山峠→▲東天狗岳→▲西天狗岳→▲東天狗岳→黒百合ヒュッテ(テント泊)→高見石小屋→▲中山→白駒池→麦草峠

麦草峠〜白駒池〜ニュウ


夜中2:00に起床、2:30に都内自宅を出発。
中央道で諏訪南ICまで進み、メルヘン街道の麦草峠公共駐車場まで約3時間。朝食でおにぎり2つと身支度を整え、6:00少し前に出発。
麦草峠公共駐車場(無料)には30台くらいの駐車スペースがあるが、到着5:30時点で残りわずか、6:00前には満車になっていた。


最初の目的地はニュウで、白駒池方面に向かうがいきなりトレイルに入らず、朝日を浴びながらまずは舗装されたメルヘン街道を登っていく。


標高2,127m メルヘン街道最高地点
メルヘン街道を歩いてきたのは、ココに来たかったから。


白駒池の有料駐車場に到着すると、こちらも多くの車がすでに止まっていて約7割の埋まり具合。天気も良いし、八ヶ岳エリアでも抜群人気の白駒池周辺。半分以上が日帰り、残りがテント泊 or 白駒池散歩という装い。


白駒池周辺までは木道が整備されていて、小さな子供連れも多い。



青苔荘まで木道を歩き、池の畔から対岸の白駒荘を望む。
青苔荘のテント場は、昨日からの宿泊者(金曜なのに)が結構いたようで賑わっていた。焚き火はできないけれど、キャンブ場でのキャンプに飽きたら、子供を連れて山岳テント泊も良いかもしれない。


ニュウ方面に白駒池周遊の木道を進む。濡れていると少し滑りやすいけれど、アップダウンがほとんどなく子供でもまったく問題ない。


周遊路との分岐に到着。左に進み、いよいよ登山道に入っていく。


いかにも北八ヶ岳という苔むした中を緩やかに登ってゆく。
湿度は高いけれど、標高がすでに2,000mを超えていて下界のような暑さはまったく感じない。


と、ここにきて初めて気がついた。
山へ行くのが1月の降雪時 奥多摩以来ということもあり、トレッキングポールにはスノーバスケットのまま来てしまった。仕方がないのでそのまま進む。



ルートは非常に明瞭で、道迷いの心配もない。大きな岩もなく歩きやすい登山道が続く。


最初の目的地ニュウ(標高2,352m)に到着。
頂上付近は大きな岩があるが、小学年低学年とみられる女の子もお母さんと登ってきていた。天狗岳でも見かけたので相当歩き慣れているのかもしれないけれど。


北側の蓼科山方面は見えるが


八ヶ岳の主峰 赤岳だけでなく、これから向かう天狗岳すらガスで見えづらい状況。
「10分前まで富士山が見えていた」と言うおじさんがいたが、逆にそれは聞きたくなかった(笑

ニュウ〜天狗岳


ニュウで小休憩をしたあと、中山峠・天狗岳方面に進む。
途中見晴らしの良いポイントがあるが、ここでも天狗岳はガスの中。それでもニュウから少し移動しただけで見える角度が大きく変わりテンションは上がる。



ニュウから中山峠へのルートは、南からの風もあり心地よく歩きやすい。
苔むした森にも陽の光が届き、主役といわんばかりに輝く。


地形図で見ると左側が崖になっているものの、樹木があり、登山道も狭いわけではなく危険という感じはない。



歩きやすい登山道を進み中山峠に到着。
今日の宿泊地 黒百合ヒュッテとの分岐があり、先にテント場に向かい設営・荷物をデポするか迷うが、ハードなアルプス登山でもないしテント場にも余裕はあるだろうと読み、テント装備のまま天狗岳に向かう。


中山峠を過ぎると東西の天狗岳が見えるようになってきた。樹木の枝が片側だけに伸びているのを見るとワクワクする。


歩いてきたニュウ方面。
直射日光がないので歩きやすいのは非常に助かるけれど、ガスが強い。


いよいよ東天狗岳が近づいてきて最後の登り。
周りを見るとテント泊装備の人はあまりおらず、日帰りが多いのかな?と思ったけれど、テント設営後で身軽に登っている人が多いことに黒百合ヒュッテに到着してから気がついた。


まもなく!


ガスガスの中、東天狗岳(ひがしてんぐだけ・標高2,640m)山頂に到着。


時々切れるガスの合間からは根石岳方面の稜線が見える。気持ちが良さそうだし、人も多い。


八ヶ岳の主峰もかすかに…


東天狗岳の山頂は狭く水分補給だけして、西天狗岳へ向かう。
一瞬「西に行かなくていいか?」とも思ったけれど、コースタイム片道20分だし、鞍部は気持ち良さそうだし。


鞍部から振り返って東天狗岳。帰りもキツくはなさそう。


西天狗岳への最後の登り。まぁ、変わらずガス。


西天狗岳(にしてんぐだけ・標高2,645.8m)山頂に到着。山頂は広いので、片隅で昼食休憩でパンをパクつく。
この日はニュウでも天狗岳でも、自分と同じソロ登山の人によく話しかけられた。みんな自粛してて、やっと山に来たという感じなのかな?このガスガスの中でも、充実感はあるよね。


西天狗岳から東天狗岳へ戻る途中、一瞬目を疑う光景が!
もう八ヶ岳には生息していないはずのライチョウか?と思ったら、ハイマツの中で立ち枯れた木だった。これは二度見してしまう。

天狗岳〜黒百合ヒュッテ テント場


東天狗岳まで戻り、来た道をさらに中山峠方面へ下り、黒百合ヒュッテ方面へ。
快適な登りだった同じルートで中山峠まで戻るか、ゴツゴツした岩場の天狗の奥庭を通るルートか。今回後者を選択したけれど、天狗の奥庭では転倒での負傷救助も過去に結構あり、テント泊装備であれば断然前者がおすすめ。自分も一度スリップし、手を少し擦りむいた。


天狗の奥庭から東西の天狗岳。
写真左側を見るとわかるように、10kgオーバーの装備でなかなかのしんどい岩場下りだった。


天狗の奥庭を下りきったところにある黒百合ヒュッテでテント泊の受付(1,000円、トイレ代/水代込)をして、テントを設営。
今回は、夏の八ヶ岳ということでHERITAGE〈ヘリテイジ〉クロスオーバードームを設営。さらに天気予報に雨マークもあったので、グラウンドシートだけでなく、テント内にも同じくSOL ヘビーデューティ エマージェンシーブランケットをセット。これで、よほどの大雨でなければ、降雨時や結露で薄いシルナイロン内側に染み込んできても、バスタブのような役目でシュラフなどを濡れから守ってくれる(はず)。

コロナ対策でマスクとアルコール消毒(香水アトマイザーにいれて)を持参したけれど、黒百合ヒュッテも「施設内はマスク着用、備え付けアルコール消毒必須」の張り紙があった。

黒百合ヒュッテは、トイレも綺麗だし、水(天水)も分けてもらえる。
携帯電波は、小屋付近でdocomo 4Gが入るがテント場は厳しい。softbankは常時NG。ただ、黒百合ヒュッテから3分ほどの中山峠や、ニュウ、天狗岳ではdocomoもsoftbankも4Gがバリバリ入る。


シュラフは、NANGA〈ナンガ〉× 秀岳荘オリジナルダウンシュラフ 200DX UDD、マットはKLYMIT〈クライミット〉STATIC V Junior、ゴムで固定できるTrekology エアーピローもセット。


テント泊は予約制になっていない黒百合ヒュッテだけど、この日はかなり数が多かったことがヒュッテのツイートでも報告されていた。
最終的には通路にも少し張られるくらいで、たぶんフルまで残り10張くらい。
そして、このあと天気予報より早く14:30くらいから雨が降りはじめ、20分ほどはドシャ降り。


からの、一気に晴れる。いかにも山の天気という変わり具合。日当たりが良い場所に張られたテントはどんどん乾いていき、逆に暑くてテント内にいれないほどのようだった。この後は、朝まで一度も雨に降られることはなかった。


雨が上がったところで、早めに夕食。
今回はセブンプレミアムの「ふっくら煮上げた牛すき煮(冷凍)」と、冷凍うどん、生野菜の白菜を持ってきて、久しぶりに「うどんスキ」に。焼豆腐は忘れた。


ただ、セブンイレブンの牛すき煮(冷凍)は以前の商品から大きく変わっていて、タレが少なめで、うどんに染み込ませるには厳しかった。これは白米に掛けて牛丼にするのが正解。うどんスキにする場合は、追加ですき焼きのタレが必要。


夕食を済ませた後は、辺りが暗くなった19:00頃に早めに就寝。
近くにテントを張っていた静岡から(こちらも静岡人、喋り方でイッパツツモ!)のトレラン集団が賑やか。

「そうだね!耳栓だね!(パッション屋良で)」
持ってて良かった!

 

晩夏、テント泊で北八ヶ岳 天狗岳・ニュウ Day 2】へ続く

 

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