最後の奥多摩小屋テント泊 – 六ツ石山・鷹ノ巣山・七ツ石山・雲取山 奥秩父縦走路

東京都の最高峰・雲取山近くにある奥多摩小屋とテント場が2019年3月31日でクローズしてしまうので、2019年2月下旬、最後のテント泊に行ってきた。

奥秩父縦走路 – 六ツ石山・鷹ノ巣山・七ツ石山・雲取山 : トレッキングログ

今回のルートは、水根登山口→▲六ツ石山→▲鷹ノ巣山→▲七ツ石山→奥多摩小屋(テント泊)→▲雲取山→鴨沢登山口 に降りる反時計回りのようなルート。

当初の下山予定は、▲雲取山から三条の湯→サオラ峠→丹波天平→丹波山村役場前 に降りるルートも考えていたけれど、このテント場利用は最後でもあり、ゆっくりしようと最短下山できる想定済みエスケープルートの鴨沢に降りることを選択した。

水根駐車場〜六ツ石山〜鷹ノ巣山

都内自宅を3:30に出発、中央道 八王子IC〜下道のトータル約2時間で、今回の登山口でもある無料の水根駐車場に到着。自分の他には車が無く先行者はいないと思われる。水根駐車場のトイレは冬季は閉鎖されていた。最後の24hコンビニ「セブンイレブン奥多摩古里店」で朝食調達と一緒に済ませてきた。


am6:00、空が薄ら明るくなってきたがヘッドライトを点けて「水根登山口」から入山。
奥多摩湖を下に見ながら舗装路を上がっていく。 ご近所の男性が犬の散歩をしていた。


民家裏側のココから登山道がスタート。
早朝でもあり、勝手口のすぐ横を通るため、ザックにつけている熊鈴が鳴らないように手でとっさに抑える。


奥多摩三大急登の1つに数えられる(こともある・諸説あり)この水根コースは、いきなりの急登ではじまる。体が温まるまえからふくらはぎに負荷がかかる。社があるので山歩きの無事をお願いしノボルノボル。


息を整えながら振り返る。
この水根コースは、ピンクのリボンがかなり沢山付いているが、登山道の目印ではなく林業の目印のようだ(登山道は青リボン?)。踏み跡は明瞭でそれをたどれば間違いはないが、積雪期でトレースがなく、下山で初めて使うと道迷いしやすいかもしれない。


ハンノ木尾根に乗り、トオノクボに到着。急登はここまで。傾斜はかなりキツイけれど、距離はそれほど長くない。
天気予報では明け方まで雨か雪予報(降水確率30%)だったものの、降られずトオノクボにつく頃には陽が射してきた。明るく開けていて気持ちがいい。


六ツ石山(むついしやま・標高1,478m)に到着。
奥秩父縦走路から少し外れたところにあり誰もいない。写真を撮り、水分補給をして先へ進む。


奥多摩縦走路の石尾根に乗り、鷹ノ巣山・雲取山方面へ進む。
北側斜面になり少し凍結している箇所があるが、チェーンスパイクもいらない程度。本当に雪が少ない。


なだらかな石尾根を歩いていると、斜面の先に子供の猿を見つけた。
登山者が多い鴨沢ルートでは鳥以外の野生動物を目にする機会は少ないだろうから、このルートを選択して良かったと思えた。ここまでに鹿にも2頭出会った。


鷹ノ巣山・七ツ石山以外の眺望が良くないピークは予定通り巻いて進む。
歩きやすく快適な石尾根を歩く。多少のアップダウンがあるが、水根ルートの急登に比べたら全然たいしたことはない。


眺望の素晴らしい鷹ノ巣山へは登ると決めていたので、巻道から尾根筋にあがる。雪もまったく無い。一気に登ろうと思いつつ…


左手に富士山、南アルプスを見ながらでペースはなかなか上がらない。しょうがない、しょうがない…。


鷹ノ巣山(たかのすやま、標高1,736m)に到着。
山頂も雪がないどころか完全ドライコンディションで、良い天気のお昼時でも山頂はノーゲスト!それどころか、ここまで誰ともすれ違っていない…。みんな八ヶ岳にでも行ってるんだろうか?
山頂からの富士山も素晴らしい。人気の山である理由がわかる。

鷹ノ巣山〜七ツ石山〜奥多摩小屋


さらに進み、鷹ノ巣山避難小屋へ。この日は誰もいないが綺麗に使用されいる。それなりの積雪があっても問題なく使える高さで設計されていることがわかる。設置されていた温度計では気温4℃を示していた。
ウェアは先日の日帰り金峰山と同じく、ベースレイヤー:Teton Bros〈ティートンブロス〉Power Wool Gridに、Rab〈ラブ〉Alpha Flux Jacketという冬登山スタイルで歩くのにはちょうどよいか、日向だと暑いくらい。


奥多摩小屋テント場がクローズしたあとは、トイレも水場もあるココにテントが沢山並ぶ日があるんだろう。外にはテーブルとベンチもある。水場は細いもののちょろちょろと出ていた。ただ、ここがNGだと水場が七ツ石小屋まで無い。


順調に尾根南側の巻道を進む。左側は急斜面になっている箇所も多いが、転倒でもしないかぎりは大丈夫。
少し雪が出てきたが、まったく問題ない。ほんと、どうしちゃったのよ、今年は。


今回は2.5Lの水を担ぎ上げてきて水場の利用もしないので、七ツ石小屋には寄らずそのまま七ツ石山へ登る。七ツ石山への登りは、雲取山側から登るほうが確実にシンドイ。
巻くこともできた七ツ石山へ登ったのは、山頂より少し下にあり去年(2018年)に再建された七ツ石神社に詣でる目的もあった。鎮座する一対の狛犬様も中に確認、鐘も鳴らして進む。


七ツ石山(ななついしやま・標高1,757m)に到着。
ここまでにすれ違ったハイカーは、3組4名のみ!土日なのに少なっ!おかげで静かな山歩きになった。
石尾根南側の巻道中心で歩いてきたので気が付かなかったけれど、山頂にあがると北西からの風が超強い。半端ない!寒い!


奥多摩小屋まで続く石尾根の防火帯が綺麗に見られる七ツ石山、良いよね!奥には雲取山山頂も見える。
七ツ石山からの下り途中で、若い白人ソロ男性が登ってきたので英語で声をかけた。

「どこから来たの?」
「ネザーランドだよ!」
「おー!オランダ!登りもう少しだね!がんばって!」
「君は泊まり?」
「そう、奥多摩小屋にテント泊なんだ」
「いいね。僕は1dayだよ!疲れたよ!」
「グッドラック!」

というしばしの会話を交わす。
その間、「オランダ語のこんにちは、さようならの挨拶は何て言うんだっけ?」と頭で考えるも、フランス語、ドイツ語は出てくるものの…オランダ語は出てこず。なんか… ゴメン。
やっぱり旅先で母国語で挨拶されたら嬉しいものだから。
こんにちは(ハロ or フッデダッハ)
さようなら(トッツィンツ or ドゥイ)
ありがとう(ダンキュウェル)
くらいは各国語をできる限り覚えていたいと思った。
昔、パリのポンピドゥー・センターで「ニーハオ!」って言われたことを根に持っているわけじゃないんだからね!!!!!!!


ダンシングツリーは、奥多摩小屋がクローズすることは知っているんだろうか?
鴨沢からのルートとも合流し、前後に人影がちらほら見えるようになった。

最後の奥多摩小屋 テント泊〜雲取山ピストン


奥多摩小屋に到着。
2月とはいえ、天気の良い週末にもかかわらず小屋番は不在。完全にヤル気…ないよね。小屋の中で宿泊券に記載して、入金ボックスにテント泊料金500円と複写式の1枚を入れ、テント場に戻り設営。

今回はフロアレスシェルター LOCUS GEARのKhufu Tyvek。
北北西の風14m予報だったのである程度は予想していたが、思っていた以上に風が強く張り綱もガッチリ&石でも固定。それでも時折の突風でふっ飛ばされないかビクビクだった。去年8月の北アルプス 蝶ヶ岳テント場以上の風だった。DPTEを使用したA型フレームでなかったら、ちょっと危なかったかもしれない。


テントからこの景色を見るのも今回が最後。あぁ、寂しい…な。
なんとかしてよ、小池百合子!


日が暮れてきて、西の空は赤く燃えるような夕焼けが美しい。初のテント泊実践の場としても最適であるのに…今後はこの景色が見られなくなるのか…。
さらに風が強まり、晩ごはんの調理をするのもままならないほどの風で、周りのテントを見渡してもみんなクローズしている。調理は諦め、冷たいおにぎりと行動食で簡単に済ませる。

18:00でシェルター内は-3℃。
このままもう少し気温が下がれば地面が凍結して、ペグがより効くだろうか。ふっ飛ばされるよりは全然マシである。どんどん寒くなれー!と願いながらシュラフに入る。

19:00頃早めの就寝。
寒さで起きることはなかったけれど、時折突風に煽られるシェルターのバタつき音で何度か目を冷まし、がっつり熟睡はできなかった。


明け方3:00頃はまだ風が強く、夜が明けてもこのまま風が続くのか?と不安にもなったが、5:00前に再び目を覚ますと、風はやっと収まっていた。ふぅ…。
シェルター内の温度は-6℃。テントから出て、あたりをウロウロ。結局テント場にはソロテント5張のみ、小屋にはテント装備持参の3パーティ6名くらいが泊まったようだ。あの風では、違った意味で小屋泊も怖かったんじゃなかろうか(笑

夜が明けてくるとテント場から見える富士山、南アルプスと空はピンクに染まっていた。
明け方まで風が強かったので山頂からのご来光は諦めたけれど、最後のテント場だし、今回はこれでよかったと思う。


晩ごはん予定だった食材を調理して、荷物を軽くする。
カッチカチに凍っているソーセージを水も入れ蒸らしながら焼く。
さらに、この冬の山歩きでは定番になっているスンドゥブチゲ。セブンイレブンで買ったスープの素に、豚肉、豆腐、生卵をドロップ。グツグツと煮込んでから食べ、体を温める。


朝ご飯を食べ、シェルター内の荷物を少し片付けていると陽も高くなってきた。今回の主目的はピークハントではないので、そのまま降りようかなとも思ったけれど、せっかくなので水とエマージェンシーキットだけもって雲取山山頂へ向かう。奥多摩小屋〜雲取山へのアプローチは相変わらず良い道だ。


東京都最高峰の雲取山(くもとりやま、標高2,017m)に到着。雲取イヤーでもあった2017年11月以来。
山頂では2パーティ3名が休んでいた。風も収まっていて絶好の登山日和といった感じで、後にも続々と。



雲取山山頂からの景色を堪能したらテント場に戻り、最後の片付けをしてクダルクダル。
サンキュー!ラスト奥多摩小屋テント場!

奥多摩小屋〜鴨沢へ下山


この日は、七ツ石小屋にも寄らずひたすら下るのみ。
鴨沢登山口の近くで最近滑落事故(死亡事故含む)が多いらしい。何故ここで?というような、道幅が狭い箇所ではないのだけど、斜面は急だし、ちょうど下に舗装路やら白い砂地が見える場所で、よそ見をしての転落なんじゃないかなと想像する。


登山口に降りてきた。無料駐車場には20台くらい。
雲取山山頂で話した若い男性は、ヤマレコを見て雪の少なさから初めて雲取山に来たと言っていた。車のタイヤもノーマルで全く問題ないのも大きい。
駐車場から鴨沢登山口に降りると、奥多摩湖の水位の低さにびっくりする!
そしてこの鴨沢ルート、一番キツイのは登りも下りもやっぱり、鴨沢バス停〜駐車場だよな、と思うのであった。


鴨沢バス停・鴨沢登山口に無事に下山。
車を停めた水根駐車場に向かうには奥多摩駅方面のバスに乗るのだが、1時間弱の待ち時間がある。逆の丹波山村方面のバスは10分で来る。おそらくそれが折り返して来るのであろう。丹波山方面から奥多摩駅方面のさらに次のバスは約2時間半後。

着替えと小さな温泉タオルは車にデポせず持ってきたこともあり、車の回収は後にして逆走し丹波山村の温泉「のめこい湯」へ先に行くことを選択した。

丹波山温泉 のめこい湯



奥多摩駅方面とは逆の丹波山村方面のバスに乗り「丹波山温泉」バス停で下車。
バス停からすぐの「道の駅たばやま」と、その中にある「のめこい湯」へ。「道の駅たばやま」にもそこそこ車が止まっていた。バイクツーリング、ロードバイク(ラックあり)の方も多い。



吊橋を渡り丹波山温泉のめこい湯へ。
「登山『家』」ではなくたんなる趣味ハイカーだが、入り口付近先の指定場所に荷物をデポしてゆっくり温泉に浸かる。
サイ&コー! もちろん温泉のあとはコーヒー牛乳だ!


温泉でさっぱりしたら、次は丹波山名物の「鹿ばぁーがー」と「鹿ゴロッケ(コロッケではなく。鹿肉ゴロゴロという意味だろう、たぶん)」とコーラ。臭いや癖もなく、あいかわらず美味い鹿肉だ!


雪があまり無いことはわかっていたけれど、ぐちゃぐちゃになっている箇所も多いだろうと、今回もLA SPORTIVA〈スポルティバ〉ウラガノ GTXで歩いた。軽量で防水だしスリップなし。やはり良いシューズだと思う。
ただ、雲取山山頂以外ではほぼドライで、一部ぬかるみがあっても時間的に凍っていたので防水でなくても大丈夫ではあった。


温泉と鹿肉を満喫したので、今度こそ水根駐車場で車を回収すべく奥多摩駅行きのバスに乗る。バス停の区間が長いところが多く、あっという間にSuicaのチャージが一気に持っていかれ(登山あるある)、快適な2日間の山歩きから現実に引き戻される。

 

奥多摩小屋とテント場のクローズまで残すところ1ヶ月。
いろいろな思い出がある人も多いでしょう。
閉鎖される前に、最後の奥多摩小屋テント泊に Let’s 奥多摩!!

ちなみに、奥多摩小屋の最終営業となる3/30(土)、3/31(日)は天気次第で、相当混雑しそうな気がするけど、どうかな?自分は行けないけれど、最後は大盛況になってほしいな。あと、小池百合子の来小屋アポイントも取ってほしい(笑

個人的な予想では、これまでも涸沢を舞台とした「北アルプス 天空のテント村」、ふもとっぱらキャンプ場での「真冬のキャンプ場 富士山を眺めながら」なども放送した、NHKのドキュメント72時間の撮影が入りそうな気がしないでもない。NHK山岳撮影部隊には精鋭が揃っているから…。

そういえば、ヘリポートもあるし、某YES!のクリニック医院長とか奥多摩小屋再建したりしないかなぁ。ドバイから直行← とか(妄想は続く…)。